５２話：小学生時代㊾「形のある気持ち」 ページ6
なるべく道の端に、邪魔にならない場所に移動をすれば加藤君も着いてくる。
地面も綺麗な場所だと確認すればその場でランドセルを下ろし、カバーを開けた。
目当てのものは内ポケットの中でチャックを開けて取り出した。
『これ！』
そう言って加藤君の前に差し出したのは先ほど貰ったばかりのキーホルダーだった。
私が手に取る前に加藤君もこのキーホルダーを見ていたのだ。
オールマイトとスターアンドストライプのデザインはカッコよく、２つをくっ付けると文字と一つのキーホルダーが完成する。
先生が言うには“ペアキーホルダー”らしい。
一つの金具にくっついているため、ゆっくりと壊さないように外していく。
こういった細かい作業は苦手だがいつもより集中したためか綺麗に外せた。
そうして外した方、オールマイトのキーホルダーを加藤君に差し出す。
『これ、お礼で加藤君にあげたい。
今日沢山助けてもらったから。』
「え！？いいよ。それにこの景品はお前が貰ったものだし。」
『なら貰った私が好きにしてもいいじゃん。』
「うーん、確かに。」
半ば無理やりで屁理屈ないい分かもしれない。
けれど今の自分にはこれぐらいしか加藤君に返せるものがなかった。
それに親にあげる景品を選んでしまったら自分のものがないじゃないか。
加藤君のおかげで私も勝つことも景品を貰うこともできたのだ。だから我が儘だけど貰ってほしかった。
ジーッと加藤君を見つめて、オールマイトのキーホルダーも差し出して動かずいる。
キーホルダーを見て私の顔を２，３回見た後少し考える加藤君。
１分ほどだろうか。考えた加藤君は確かめるように私に聞いてくる。
「本当にいいのか？誰かにあげたりするやつじゃなかった？」
『他にあげる人も考えてなかったし、どこに付けるかも決めてなかった。
……逆に決め切れてないから貰ってほしい。』
本心だった。つける場所を考えていたけど母に見つければ
“かわいくない。”と外されて机の中にしまう羽目になる可能性もあったから。
私の言葉を聞いて決心がついたのか、加藤君は両手でキーホルダーを受けとってくれた。
「……ありがとう。オールマイトのキーホルダー、本当は欲しかった。」
『へへ。オールマイト好き？』
「うん！！」
ここで初めて加藤君が目もクシャッとして笑う顔を見た。
こんなに嬉しそうに笑う人だったんだ。
それが知れて、笑顔になってくれたことに自分も嬉しくなって笑い返した。
５３話：小学生時代㊿「広がる視野」→←５１話：小学生時代㊽「お礼」
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ビーZ(プロフ) - なめこさん» コメントありがとうございます！本編へのつなげ方は２パターンを考えているので、私自身も書き込みながらその時の状況に応じて決めた行きたいと思います。 (5月4日 3時) (
レス) id: 2d2fb7c60c (このIDを非表示/違反報告)
なめこ - どう本編につながるのか楽しみにしてます (5月2日 22時) (レス) @page22 id: 04a092aa65 (このIDを非表示/違反報告)
ビーZ(プロフ) - あ。さん» 気付きをくれたありがたいコメントです。 (5月1日 20時) (レス) id: 2d2fb7c60c (このIDを非表示/違反報告)
ビーZ(プロフ) - あ。さん» コメントありがとうございます。言われて「確かに…！！」となりました。言葉では出てきていてもキャラや時間軸も不明なまま進めているので、ヒロアカの設定だけ小説になってました。早めにキャラ絡みや時間軸を明確にするようにします。 (5月1日 20時) (レス) id: 2d2fb7c60c (このIDを非表示/違反報告)
あ。 - これはヒロアカではない。 (5月1日 7時) (レス) @page22 id: 686a7a1374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：B太 | 作成日時：2024年1月5日 15時
