. ページ2
また放課後、早く病院に行こうと駆け足で学校を出た。
また1人で寂しい思いをしてるのだろうか。
泣いてはいないだろうか。
また、彼女を傷つけるものが現れていないだろうか。
はやく、はやくと足を進めていると、ふと、俺の目線に多分世界で1番憎く、そして感謝してる人間が入ってきた。
Aの世界を奪った、ヒーロー。
「前の事故は残念だったな」
誰か他のヒーローと話していて、何気なく俺は足を止めて耳を澄ませる。
何がしたいか分からないけど。
「ああ、賠償金も払わされたし。
そもそもヴィラン捕まえてる時に近づいて来るな、って話。
不注意だったあいつが悪いんだよ」
そういい、目の前のヒーローは深い溜息を吐いた。
…ヒーロー？これが？
これが、ヒーローって言えるのか？
市民を傷つけ、反省もせず、自分のことだけを、金のことだけを考えてるこいつが？
心の中で、前とは比べ物にならないくらいの、煙のようなドス黒い思いが込み上げてくるのを感じた。
「いてっ」
目の前で失格者が転ぶ。
膝からは血が流れ、床に一滴零れた。
血、血があれば俺は。
悪態を吐きながら歩き始め、俺は床の血へ手を触れる。
そして、筆箱に入っているカッターナイフを取り出した。
.
「ちょっと遅かったねステイン君」
そう目の前で眉を下げ、頬を膨らませる彼女に謝り、椅子に腰掛け、また何気ない話を始めた。
さっき2人殺めたというのに、俺の心は穏やかだった。
あぁ、これでAの無念を。
「じゃあ、そろそろ今日は…」
もう夜も深い。彼女の体を案じて立ち上がると、彼女は迷いつつ、俺の手を握った。
「待って、」
いつも、看護師に見つかると怒られちゃうって帰らせようとするのは君なのに。
どうして、今そんな、怖い顔をしてるんだ。
「今日、私のとこ来る前に何かした？」
「……何も？掃除があったから遅れたってさっき、」
「ステイン君から、_______血の匂いがする。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
璃月 - ありがとうございました！とても素敵な文で羨ましいです。 (2019年1月28日 23時) (
レス) id: 0d5f5cebff (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - はちみつ檸檬さん» ありがとうございます~！競技かるたかっこいいですね。陰ながら応援させていただきます！意味も覚えるのは大変だったと思います…凄い…。有り難い言葉嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2018年12月17日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 初コメント失礼します。環くんってお願いできますかね…？続編おめでとうございます！更新頑張ってください！応援しております(*^^*) (2018年12月17日 20時) (レス) id: a076412724 (このIDを非表示/違反報告)
りんご。(プロフ) - リクエストいいですか？！ミリオパイセンお願いしますぅうう！！いつも見させてもらってます！これからも更新頑張ってください！！ (2018年12月15日 17時) (レス) id: 4cd3d7e206 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ檸檬 - 百人一首の意味に基づいてお話を作っていて、驚きました！！私は競技かるたをやっていて百人一首の意味も覚えながら全首覚えたので、意味を考えながら読ませてもらっています。泣ける作品でハマってしまいました！！更新頑張ってください。 (2018年12月9日 12時) (レス) id: 5964d6c924 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鬱ネコ | 作成日時：2018年11月8日 20時
