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弱々しくて、まるでヒーローだなんて思えない。
でもその姿は確かに私の愛してる人だった。
何かを言おうと口を開いて、でも何を言えばいいか分かんなくて。
ああ、もう。
そんな顔しないで。
そんな顔されたら、あなたが好きって思い出すから。
「…。捨てられないよ」
あなたが私を捨てるまで。
「本当？」
「うん、でもね。お願いがあるの」
彼は真面目な顔をして頷いた。
「さっき猫かぶってたって言ってたでしょ？
猫を脱いだ姿を見せて」
「…俺、君が思ってるより大分性格悪いよ」
「好きだから大丈夫。
それよりも知らないことがあることが嫌なの。
…あと、他の子と、あんまり距離を縮めすぎないでね。」
多少増えてしまったけど、我慢なんてしたくないから。
全部守らなくてもいいよ、少しは許してあげる。
でも、あんまり粗雑に扱うと、次こそさよならだよ。
「…分かった。」
頷く彼。迷いのない瞳に酔いそうだ。
そんな弱々しい気持ちを振り切るように、彼の唇にキスを落とした。
「好きだよ、揺」
「っ、」
少し照れくさくなり、離れようとすると、
「お前って本当、俺のことどれだけ煽れば気が済むの？」
急に手首を捕まれ、強引に唇を合わせられる。
突然の事で目を閉じる暇もなく、彼の整った顔が視界いっぱいに広がり、
体温が一気に上がるのが分かった。
「っん…、」
唇の隙間から、彼の舌が入り込んでくる。
息が、出来ない。
生き物のように艶めかしく動く舌に翻弄される。
彼の舌が口内を暴れ周り、これまで随分手加減されてたんだと気づいた。
足が震えた。
舌だけで、人をこんなに濡らすことが出来るの？
激しい攻めからようやく開放されたときには、もう足に力が入らなく座り込んでしまった。
そんな私に愛しそうに笑いかけて、
「…いい？」
あぁ、今日は長い夜になりそうだ。
みかき守 衛士の焚く火の 夜は燃え
昼は消えつつ 物をこそ思へ
(皇位の門を警護する兵士が焚く夜の炎のように、私の恋も夜だけ燃え上がり、昼には消えさり、物思いに沈んでしまうの)
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鬱ネコ(プロフ) - 璃月さん» コメントありがとうございます！リクエスト、続編の方で死柄木さんで書かせていただきました。ご不満がありましたら書き直しますのでお申し付け下さい。ありがとうございました！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - みすみさん» 競技かるた部なんですね！かっこいいです。ありがとうございます~！リク、遅くなりましたが書かせて頂きました。続編の方なので良ければ観覧お願いします。コメントありがとうございました (2018年11月26日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - Runaさん» ありがとうございます！切ない話を書きたい、って常日頃思っているので、そう言って貰えると嬉しいです。好きだなんて光栄です。続編でもよろしくお願いします！ (2018年11月9日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
Runa - トガちゃんの話好きだななぁ･･･ちょっと残酷だけど、何かトガちゃんの報われない想いとか、切なくて結構好き。続編でも頑張って下さい。 (2018年11月9日 20時) (レス) id: 3e6d8cfb03 (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» ステイン様続編の方で書かせていただきました！遅くなり申し訳ありません。ご不満がありましたら、書き直しを仰ってください！ (2018年11月8日 19時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鬱ネコ | 作成日時：2018年5月26日 14時
