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帰り道には手を繋いで。
色んなところを2人で行って。
楽しくて、自分の夢が叶ったような気分だった。
私の夢はそんな優しいものじゃないのに。
いつのまにか、この関係に満足してた。馬鹿みたいだ。
.
弱々しい私の手を強く握る彼。
なんでだろう。なんでこんなに体も胸も痛いんだろう。
そっか…。多分。
「なんで庇ったんだよ。馬鹿だろお前、…頼むから、頼むから。
生きろ」
焦凍がそんな悲しい顔してるからだよ。
急に起こった、ただの事故。
上から落ちてきた鉄塔の下にいた焦凍を突き飛ばした。代わりに私は潰された。
それだけだ。昔、私が望んだこと。
私の太ももが、鉄塔に挟まってミシミシと音を立てる。
骨が砕ける音がする。私の下半身から流れる血は真紅で、とても綺麗だ。
痛いのかな、熱いのかな、もうわからない。
「しょーと、」
「喋んなっ、血が流れる。」
彼は私の涙を拭う。
………涙？私、なんで泣いてるんだろう。
私、彼を庇って死にたいって思ったのに。なんで。
「…しょ、と。私、死にた、くない」
口は勝手に動くの？
「お前は死なない！俺が死なせない。」
死にたくない。
焦凍の恋人になったのに。
楽しいのに。幸せなのに。
これから、もっと嬉しいことが待ってるのに。
まだ、死にたくない。
_______焦凍と、一緒に居たいよ。
側に居たいよ。
隣で喧嘩して、仲直りして、笑い合いたいよ。
きっとバチが当たったんだ。
昔あんなこと思ったから。
だから焦凍にこんな顔させたんだ。
「………ごめんね。」
それだけを言って、私は意識を手放した。
.
「何か欲しいものあるか？」
「……側に居てくれれば、それでいいよ」
結果から言うと、私は死ななかった。
まぁ太ももだけだったし。今はリハビリでまだ入院してるけど。
「お前はもうちょっとワガママ言っていいんだぞ」
呆れ笑いでそういう彼に首を振った。
貴女と生きていければそれでいいんだ。
「焦凍、ありがとう。」
願わくば、一生あなたと共に居られますように。
.
君がため 惜しがらざりし 命さへ
長くもがなと 思いけるかな
(貴方に逢えるなら死んでも構わない。そう思って居たはずなのに。
会えてからは、出来るだけ長く生きて、貴方と共に在りたい。
そう思うようになりました。)
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鬱ネコ(プロフ) - 璃月さん» コメントありがとうございます！リクエスト、続編の方で死柄木さんで書かせていただきました。ご不満がありましたら書き直しますのでお申し付け下さい。ありがとうございました！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - みすみさん» 競技かるた部なんですね！かっこいいです。ありがとうございます~！リク、遅くなりましたが書かせて頂きました。続編の方なので良ければ観覧お願いします。コメントありがとうございました (2018年11月26日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - Runaさん» ありがとうございます！切ない話を書きたい、って常日頃思っているので、そう言って貰えると嬉しいです。好きだなんて光栄です。続編でもよろしくお願いします！ (2018年11月9日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
Runa - トガちゃんの話好きだななぁ･･･ちょっと残酷だけど、何かトガちゃんの報われない想いとか、切なくて結構好き。続編でも頑張って下さい。 (2018年11月9日 20時) (レス) id: 3e6d8cfb03 (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» ステイン様続編の方で書かせていただきました！遅くなり申し訳ありません。ご不満がありましたら、書き直しを仰ってください！ (2018年11月8日 19時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鬱ネコ | 作成日時：2018年5月26日 14時
