【ヒロアカ】鷹と雷鳴 第二章【ホークス】

雷鳴70 ページ39

暗がりのBARのカウンターで佇む三つの影




一人はバーテンダーの格好をした黒いモヤの様な男性『黒霧』

もう一人は体中に手を着けた細身の青年、敵連合の主犯『死柄木弔』

そしてもう一人、死柄木の隣でカクテルグラスを傾ける女性がいた





「なーんか、最近巷で"ヒーロー殺し"ってのが流行ってるらしいじゃないの」

「そうですね、騒がれていますね」

「…ムカつくなぁ」


カリカリと首を搔く死柄木に「こら」と一言入れると、カランと音を立ててカクテルを飲み干し、グラスを黒霧に渡すと席を立つ



「何処に行くんだ、姉さん(・・・)」


死柄木に『姉さん』と呼ばれた女性は出入口の扉に手をかけて振り返る




「ふふ、安心なさい、様子を見てくるだけよ」

「あまり危ない事はしないでくれ、姉さんは見境がない」

「あら、心配してくれるの？大丈夫よ、ちゃんと弔の元に帰ってくるから」

「…分かった」

「聞き分けのいい子は好きよ、それじゃあ黒霧、後はお願いね」

「はい、"死柄木愛(るい)"もお気を付けて」




"死柄木愛"と呼ばれた彼女はニヤリと笑いながら扉を閉じ、薄暗い階段を下る
サラサラと流れる金色の長髪を後ろへ流し、久方ぶりの日の元へ足を踏み出す



「私が弔の欲しいもの、全部手に入れてあげるわ」







街の大きな液晶にたまたま写ったヒーロー"キキョウ"を見上げて、愛は綺麗な様で恐ろしい笑みを浮かべる




「貴女も必ず手に入れるわ、Aちゃん」




そして再び、暗闇に消えた

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