雷鳴65 ページ34
「本当に今年も頭は行かねぇんすか？」
「ああ、まあ昨日も保須まで跳んでって、帰ってからも今までの事件洗い直してたりして遅かったから疲れもあるしな、寝かしとけ」
「三島は後から来るんだね」
「ええ、俺も資料だけ片付けたら直ぐに行きます」
そう言って花を持つ岸さんと千葉を見送ってから事務所に戻って席に着く
そう、今日は全当主であり、頭の父親である瞬さんの6回目の命日である
毎年俺と岸さん、そして千葉は墓参りに行くが、頭は一度も行ったことがない
それは何故かと言うと、その墓の下に瞬さんの骨は無いからだ
あの日瞬さんの遺体は見つからなかった、だがそこに残されていた大量の血痕から、見つかったとしても既に亡くなっていると判断され、瞬さんは身体が無いまま亡き人となった
頭は今でもそれを認めていない
実は生きているのでは、という希望を捨てられず、今でも"行方不明"の父親を探している
「出来ることなら、もう吹っ切れて欲しい所だがな…」
俺のそんな呟きは誰に聞かれることも無く、空気に溶けた
と同時に事務所の電話が高らかに鳴る
「はいこちら八雲組事務所兼キキョウヒーロー事務所……、おっとこりゃ珍しい人から電話が来たもんだ」
電話の後、資料をまとめ終えた俺は頭宛にメモだけ残して屋敷を後にした
ピーンポーン、と家の人間を呼ぶ軽快な音で目が覚める
「…誰も居ねぇのか？」
そう言いながら気怠い身体を起こす
そして目に入った部屋のカレンダーを見て、この状況に納得する
「なるほど、そりゃ誰もいねぇや」
インターホンを押す相手に大声で「はーい」とだけ答えて玄関まで足を進める
玄関の引き戸を開けて門の潜り戸から顔を出す
するとそこには意外な人物がいた
「えっ、心操じゃねぇか…」
「えっと、急にすみません、相手がキキョウだとは聞いてなくて…」
「え？誰かから聞いて来たのか？」
「？えっとイレイザーが話は通してあるって…」
「……多分三島にだな、まあいいや上がれよ」
意外な来客に私は、今日一日沈みそうだと思っていた気分が少し晴れそうな気がした
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とらお(プロフ) - 夏樹さん» コメントありがとうございます！当方関西出身なもので、あんなけって使うので普通に使ってました！多分、多々関西弁寄りな所が出てくるかと思いますが見て見ぬふりでもしてください！ (2023年4月8日 3時) (
レス) id: 9196c41cf9 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹(プロフ) - 雷鳴40の千葉さんの台詞あんだけがあんなけになってます。何回よんでもおもしろいですね。 (2023年4月4日 23時) (レス) @page7 id: 820ea18d0a (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - めっちゃ面白いです。最新頑張ってください (2020年1月19日 4時) (レス) id: b3b626bb81 (このIDを非表示/違反報告)
小林萩(プロフ) - 3がいいと思います。他の方と似たような理由になってしまうのですが、可愛いなぁと思ったので。更新頑張ってくださいね。 (2020年1月9日 20時) (レス) id: b63d7693a0 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - ��がいいと思います。ケルピー、可愛い。 (2020年1月9日 15時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とらお | 作成日時：2020年1月7日 4時
