雷鳴77 ページ46
最初は誰でもよかったんだ、強くなれるなら
「担任から聞いてるよ、ヒーロー科に編入希望なんだって？」
「はい」
だから個性が俺に似て肉弾戦を得意とするイレイザーヘッドの元へ、戦い方を教えてもらおうと話をしに行った
「俺が教えられることは俺が教えるが、基礎的、そして応用的な戦闘を教えるなら俺より適任者がいる」
「適任者、ですか」
「ああ、まずはその地図に書いてある所に行け、自分で稽古つけてもらえるよう話をつけてこい」
そう言って渡された地図には、その適任者の名前すら記載されておらず、イレイザーの口振りからして聞いても教えて貰えないだろうと俺は足を進めるしか無かった
「…え、ここって…」
地図を頼りに電車を乗り継ぎ、辿り着いた場所は大きな日本家屋で、門の表札には達筆に"八雲"と掘られていた
「うそ、だろ…まさかあの人に…？」
目の前にある古い門には少し不釣り合いなインターホンを眺めながら、押すか押すまいか手が泳ぐ
「(いやいやいや、相手はNo.4ヒーローだぞ？一回昼飯一緒したくらいのただの普通科の生徒に、教え子でもないのに、俺なんかが相手にしてもらえるわけないだろ…、絶対断られる、そうに決まってる)」
相手に会う前からネガティブな方へ思考が飛んでいく
ひねくれた考え方をしてしまうのは自分の悪い癖だと自負している
それでも、相手は俺がヒーローを志す切っ掛けを作った人物で、こんな敵個性の俺にも気兼ねなく話し掛けてくれる数少ない人物で
そんな悶々と下向きな考えが脳内を占めている中、ふと昨日言われた言葉を思い出す
『良い個性じゃねぇか』
そんなお世辞でも言えるような言葉が嬉しく思えたのは、相手が彼女だったからか、あの真っ直ぐな瞳に嘘偽りがない事が分かっていたからか
気が付けば俺は、目の前の黒いボタンを押していた
「無事八雲のとこに弟子入り出来たみたいだな」
次の日学校に行くと、後ろから音もなくイレイザーに声を掛けられ、ビクリと肩が跳ねる
「…はい、家柄ちょっとややこしそうでしたが、鍛えて貰えるなら構わないと思いまして」
「俺もそこまで把握していた訳じゃ無いからな、まあお前達がそれでいいなら俺は良いんだが…少しはマシな顔になったじゃないか」
「えっ？」
そう言うなりイレイザーは俺の肩を一回叩いて通り過ぎて行った
なんの事かは分からないが、今日は師範との初の鍛錬だ
気を引き締めようと拳を握った
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とらお(プロフ) - 夏樹さん» コメントありがとうございます！当方関西出身なもので、あんなけって使うので普通に使ってました！多分、多々関西弁寄りな所が出てくるかと思いますが見て見ぬふりでもしてください！ (2023年4月8日 3時) (
レス) id: 9196c41cf9 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹(プロフ) - 雷鳴40の千葉さんの台詞あんだけがあんなけになってます。何回よんでもおもしろいですね。 (2023年4月4日 23時) (レス) @page7 id: 820ea18d0a (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - めっちゃ面白いです。最新頑張ってください (2020年1月19日 4時) (レス) id: b3b626bb81 (このIDを非表示/違反報告)
小林萩(プロフ) - 3がいいと思います。他の方と似たような理由になってしまうのですが、可愛いなぁと思ったので。更新頑張ってくださいね。 (2020年1月9日 20時) (レス) id: b63d7693a0 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - ��がいいと思います。ケルピー、可愛い。 (2020年1月9日 15時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とらお | 作成日時：2020年1月7日 4時
