雷鳴と寝起き ページ2
このご時世、お休みがなければ人は頑張れない
日夜この国の平和を守るヒーローにもそれは必要な訳で、それは私にも当てはまることで
「頭、明日から2日休みな」
「随分急だな、どうした?何か変なもんでも食ったか?」
「ひっでぇ!ここ数週間働き詰めの上司を労わろうって部下の優しさだよ!!」
確かに私はここ数週間、ろくな休みも無く現在四徹目に突入したところだ
生憎、この個性のおかげで肩こりなどに悩まされる心配はないが、やはり疲れは溜まるもので、あまり化粧のしない自分の顔にはくっきりと隈が浮かび上がっていた
「まー、有難く貰っとくか」
「そーだそーだ、倒れられても困るからな」
「その心は?」
「五徹目からのイライラがプルスウルトラしてる頭に出会いたくない」
「それは、なるべく私も出会いたくは無いなぁ」
以前五徹した際に千葉の些細な発言や、頻繁に出没する敵とその処理で失態を犯した周辺ヒーローにブチ切れ、八つ当たりの如く三島に雷を落としたのは古くない記憶だ、悪かったとは思っている
「という訳で、あとは書類整理だけだろ?頭はもう休めよ、そろそろテッペン超えるぞ」
「久しぶりのお布団、愛してるぜ·····」
「着替えてから寝ろよー」
後ろからの三島の声に適当に返事して事務所部屋を後にし、自室へと足を進める
久々の休みだ、明日は何をしようか
一日惰眠を貪りたいところではあるが、それはあまりにも勿体ないのでは無いだろうか
なんせ、数週間ぶりの休みだ
明日の予定は明日考えればいいか、と自室に着いた頃には思考力が低下しており、もう布団に包まることしか頭になかった
「·····ら、·····しら!」
誰だよ、邪魔するんじゃないよ、私はまだ寝たい
「おい、かしら!頭!」
「、るせぇ·····、まだ、ねかせろ·····」
「寝て欲しいのは山々なんだがよ、何せ客が来たもんで」
「、きゃく·····?」
うっすら目を開けば「あー」と苦笑いしながら頭を搔く三島がいた
「こりゃダメだ、しゃーねぇなー」
動かない頭をまた枕に沈め、私はふわふわとした思考をまた夢に誘おうとする
いや、しようとした
「えっ、ほんとに入っていいと?殴られん?」
どうやら私は夢を見ているようだ
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over the rain - 鷹と雷鳴読ませて頂いています!あの、本編にも書かれていましたが、キキョウの体育祭読みたいです!応援してます! (2020年1月24日 21時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とらお | 作成日時:2020年1月15日 8時