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*緑谷side*
モヤモヤと晴れない気持ちのまま救出訓練となった。
そんな時に現れた敵。
相澤先生は必死で戦ってくれて、体は酷い事になっていた。
Aちゃんは泣きそうで、だけど力強い表情で相澤先生を助けに行った。
相澤先生とAちゃんが付き合ったのはその後だった。
皆は知らない。
放課後の教室で、抱きしめ合う2人を見てしまった僕だけが知っている事。
Aちゃんは笑ってた。
僕が見た事のない綺麗な笑顔を、相澤先生の腕の中で浮かべてた。
僕は2人を見ていられず、がむしゃらに走った。
あの時、僕も好きだと伝えていれば…。
心が痛かった。苦しかった。
それでも、君が幸せなら…。
不意に顔を上げると、目の前には神社があった。
無意識のうちに。導かれるように。
Aちゃんが大好きだった桜。
今はもう枯れているけど、桜の木を見た瞬間涙が溢れてきた。
鼻水まで垂らし、声をあげて泣く僕の姿はなんて醜かっただろうか。
だけど、存分に気持ちを吐き出してやろうと思った。
暫くして、泣き疲れた僕は枯れた桜に寄りかかり、弱々しく呟いた。
本当に大好きだった。
素直になれなくてごめん。
傷付けてごめん。
伝えたい事はいっぱいあるけど…。
まずは時間を下さい。
君を諦められるようになるまでの時間を。
最後の言葉は声にならず、まるで神様が言ってはならん、と言わんばかりに消えていった。
…どうせなら、あの頃まで“刻”が戻れば良いのに＿＿＿＿。
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作者名：†虹猫† | 作成日時：2016年10月30日 4時
