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開始直後の氷結、それを打ち消す超パワー。
そんなことを繰り返して、緑谷クンの右手は既に親指以外、赤紫に腫れ上がっていた。
『…轟クンの情報量が少ないのが原因か…』
今までの試合、全部彼は瞬殺で攻略できそうな情報が一切ない。
…弱点を探すのは、大変そうだ。
攻められ、足を氷で固められた緑谷クンは危険を感じたのか、左腕を使った。
…モニターじゃなくて、ちゃんと見に行った方が良かったかな。
モニターじゃ威力も、轟クンの情報も何も掴めないと思った俺は、控室を飛び出した。
生徒席に向かいながらも、試合の行方を見る。
「皆…本気でやってる…！勝って、目標に近づくために…！！一番になるために…！！
半分の力で勝つ…？まだ僕は…君に傷一つつけられちゃいないぞ…！
全力でかかってこい！！！」
…明らかにボロボロの緑谷クン。
でも、それは自分の個性の代償で…轟クンの攻撃によるものじゃない。
轟クン…右側が凍ってきて、震えてる…？
…氷結の個性を使い過ぎれば、凍って体温が低くなるのか…それを左の熱で体温調節できるのに、使わないから…。
『…ほんと、お節介なヤツ。』
それ、気付いたんなら緑谷クンも攻略法考えれば勝ち目だってあるのに。
動きの鈍い轟クンを見て、氷結の個性の弱点を確信する。
緑谷クンが一発、モロに食らわせるが…
これはどっちが、優勢なのか、全くわからないな。
『あんな、ボロボロになってまで…どうして…』
そんなに勝ちたい？
ここまで十分すごい成績を残してきてる。
「お、守木！随分遅かったな！大丈夫か！？」
『…うん、大丈夫だよ〜ちょっと休憩したり電話したりしてた〜
…それにしてもすごいね〜！』
やっと生徒席までたどり着いて、席に座って観戦する。
「なんで、そこまで…ッ！」
「期待に、応えたいんだ…！笑って、応えられるような…！
カッコいい、ヒーローに…なりたいんだァ！！！
だからァッ、全力でやってんだ…皆！！」
…その言葉は、轟クンに向けられたもの。
なのに、なのに…俺の心を酷く抉った。
「君の、力じゃないか！！！」
緑谷クンのその一言が、轟クンの枷を外したかのようだった。
轟クンの左側が燃え上がる。
『…緑谷クン、本物だよアレ…』
本物の、ヒーローになる素質ってヤツだ。
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洸(プロフ) - とてもいい作品です…！夢主くんの気持ち？に入り込めて、感動…！続き待ってます！ (2020年5月7日 18時) (
レス) id: 6d6b8b4f55 (このIDを非表示/違反報告)
疾風-はやて - 夢主くんいいねー！あの猫かぶってるとこの性格いいと思う！私もあんな感じになりた〜い！ (2020年5月4日 10時) (レス) id: a73b9ea5c2 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - 久しぶりに読おえてからもワクワクしてます！更新頑張ってください。応援してます (2020年3月30日 14時) (レス) id: 6edc1c7592 (このIDを非表示/違反報告)
めい - 好きです！次の更新待ってます！ (2020年3月30日 14時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんみつ | 作成日時：2020年3月28日 12時
