【MHA】愚を守る【男主】 (ページ33)

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騎馬戦の始まりの合図と共に緑谷クンの元へ集まる騎馬たちを眺めて「やってるね～」と声を漏らす。

「まあ１０００万Pありゃ本戦は確実だしな。俺らは地道にいくぞ。」

『はいはーい、君の指示に従うよ～』

彼の個性があれば簡単に集められるだろう。
返事をした瞬間に「ハチマキを手渡せ」と言えばいいだけなんだから。

『あはは、みてよあれ！爆豪クン騎馬から離れちゃってる～』

緑谷クンに飛び掛かるも常闇クンに阻止されてる爆豪クンを見て笑う。
ミッドナイトの「地面につかなければ大丈夫」というアナウンスを聞いて「なんでもアリだ」と再確認する。

個性アリな時点で大体のことは許されると思ってはいたけど。

「守木！こっちに集中しろ！」

『も～せっかくの体育祭でしょ、そんなプンスカしないの！』

彼の言う通りに動いているが…。
心操クンは個性に頼ってるとよくわかる。

単純な攻撃も避けられそうにない。
だから実技入試も結果を残せなかったんだろうな。

もしも彼が体を鍛えていたら。もしも彼が諦めずに救助に徹していたら。

今頃ヒーロー科で一緒に授業を受けていたかもしれないのに。

『さて、心操クン。そろそろ時間だよ。獲りに行こうか。』

終盤になって心操クンに声をかける。
「あぁ…」と反応した彼に合わせて鉄哲チームへ足を向ける。
鉄哲クンたちは油断しているようで、隙だらけだった。

今、俺達は０P。
だからと言って油断するのはよくないな。

「なぁ、そのハチマキくれよ。」

「はァ！？渡すわけないだ…ろ…」

一瞬で鉄哲クンは洗脳にかかってしまった。
すれ違い様に心操クンは鉄哲クンの頭のハチマキを奪う。

これも全部作戦。
もともとあったポイントは他の生徒に奪わせ、０Pになる。
終盤まで待って、ギリギリを狙ってハチマキを奪う。
彼の個性があれば簡単に終わる。

『あっちはすごそうだね～みんな１０００万Pしか見えてないみたい！

緑谷クン人気者だなぁ…』

個性を発動させながら笑うと、「お前はお気楽でいいな」と心操クンが俺に皮肉を言ってくる。
俺はここにいる誰よりも冷静で警戒してると思うけどね。