【MHA】愚を守る【男主】 (ページ28)

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「せんせー。俺が１位になる。」

「絶対やると思った…！」とA組の心の声が聞こえてくるようだった。
体育祭、選手宣誓で呼ばれたのは爆豪クンの名前だった。

彼、才能マンだけど意外と真面目だからちゃんと勉強して入試受けたんだろうな。

いつもの乱暴な言動が目立ちすぎて皆は驚いていたけど、俺からしたらそこまで驚くことでもなかった。

相変わらずの態度にA組以外からブーイングの嵐だ。

『あはは、ここまでくると逆に清々しいねぇ～』

「笑い事じゃねぇよクッソイケメン滅びろ！」

何故か恨めしそうに突っ込んでくる峰田クンに「顔関係なくない～？」と笑う。

「せめて跳ねのいい踏み台になってくれ。」

『ふは、いいねぇ～青春だなぁ～』

爆豪クンの言葉に燃える他の科の生徒たちを見て、「それじゃあ思惑通りだよ」と密かに笑う。
どうせ表彰台に上がるのはヒーロー科の生徒だろう。

雄英を諦めなかった心はすごいと思うけど…雄英じゃなくてもヒーローは目指せる。

普通科の連中の顔を見た感じ、ヒーロー科への編入の為に体育祭で結果を残そうと意気込んでるのはこの前の紫クンくらいだろう。
「なんでヒーロー科の連中の為のような行事に出なくちゃいけないんだ」って顔に書いてある。

ヒーローの夢を諦めた奴が大半だろう。

諦めて正解だ。そんな奴がヒーロー科に来たとして相澤センセーに除籍処分にされるのがオチ。
雄英の名前を背負って卒業できる方が幸せだろう。

『………相当嫌われてる分、こっちも…ね。』

俺はそんなに優しい人間じゃない。