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今日もあの父親に引き摺られる
あの後予想通り父親が来て私たち二人を見たあと、何故か私まで道場に連れて行かれた
焦凍くんと私の個性は｢半冷半燃｣
右手から氷結が、左手から炎熱が出せる
あの時は焦凍くんが氷を出していたけど、後からになって私も出せることが判明した
そこで思いたくない事を思ったのが
(あ、これ、私も焦凍くんと同じ様にDV紛いの特訓させる気満々だ)
あの父親だ
実の息子にあんな殴る蹴るしていたんだから娘だとしても容赦ない
朝早くに起きて準備運動から始まり、身体能力を上げる為の運動から氷と炎の個性特訓
ブラック会社の重鎮も真っ青なお昼ご飯以外休憩無しでの特訓
4歳になる前から行っているこの特訓に体力がない私は毎日泣きながら父親に投げ飛ばされる
私、嫁入り前の女の子だよ？
それでもめげずに必死になって食らいついた
｢お前はこんなものか｣｢失望した｣なんて言われたくないし、何より双子の兄が心配だからだ
投げ飛ばされる度に生傷が絶えなくてお母さんが毎度、救急箱抱えて泣きながら包帯を巻いてくれるから余計心臓に悪い
……お母さんの笑顔より泣き顔をよく見てる気がする
お母さんを笑顔にしたいなぁ……お母さん美人だから笑顔だとより綺麗なんだろうなぁ……
｢かりんちゃん、大丈夫？｣
｢っ！…っうん、大丈夫だよ｣
今はお昼ご飯の時間
ぼーっとしていたら焦凍くんに心配されてしまった
笑顔で答えたら｢痛くなくなるおまじないするね｣とニコニコ笑顔で頭を撫でられた
推しに頭撫でられて嬉しくないわけないじゃん……！やばい、私の双子の兄がカッコ可愛くてしんどい……！！
語彙力低下させる天才だよ、本当に
｢お｣
｢ん゛ん゛！｣
私もお返しとばかりに彼の頭を撫でたらめちゃくちゃ喜んでくれた
眩しい推しの笑顔、プライスレス！！！！
お昼ご飯を食べ終えて直ぐに激しい運動だと慣れない身体に負担が掛かってしまうので運動がてらに家の中を散歩する私たち2人
2階の廊下から中庭で遊ぶ燈矢兄、夏兄、冬姉を焦凍くんと眺める事しか出来ない
(この時の燈矢兄は、もう……)
既に髪の色が白い燈矢兄
夏兄と比べると体格も違う
あの展開になってエンデヴァーが傷付いたり、焦凍くんのあの覚悟をする未来を防ぎたいけど、私達が兄姉と関わってしまうと今の父親が黙ってない
(どうにかして燈矢兄を…あの未来にならないように)
そう思っていても未来は簡単に覆せないことを後に私は知った
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作者名：律 | 作成日時：2021年1月21日 15時
