ジョングクの＊＊＊係 Ⅱ (ページ1)

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「俺たちラップラインなのに今回ボーカル担当らしいんだ」

『え、何それ』

「新鮮でそっちの方が楽しまれるからって。
頑張ろ、Aちゃん」

『うん、そうだね』

…ボーカル。
今までアルバムで歌った経験はあまりない。
そういうのは、ホソクオッパが担当のことが多いから。

『クリスマスメドレー…』

「そういやもうすぐクリスマスだね」

『あ、うん…』

クリスマス。
それは、世界中の子供たちが楽しみにする日。
…実はわたしの誕生日だったりもする。

「昔はプレゼント貰うために起きてたりしたなぁ。今でもサンタ来ないかな」

『わたしたち成人しちゃったしねぇ』

「あー、あのワクワク感味わいたいや」

思ったより早く構成が決まり、
練習スケジュールも上手い具合に調整がついたので、こうして話している。

「ねー、オッパってば」

「…早く決めよう。俺は早く終わらせたい」

「せっかく久々の再会なのに、もう！」

あそこだけ、どう見ても異質な空気だった。

「…ミランちゃん、だっけ」

『…あぁ』

「あんな可愛い子と知り合いなんて知ってた？」

『いや』

「…彼女だったりしてね」

彼女。
わたしがどう頑張っても、なれないポジション。

わたしはジョングクの特別になりたい、
どうしようもない自己中で、馬鹿みたいだ、

なんて思いながら溢れそうな涙を抑えた。