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49. ページ7

「ヒョン、話がある」

「…うん」


帰宅すると、ジョングクが待っていた。
電気もつけずに、ずっと待っていたのだろうか。






「…Aちゃんに会ってきた」

事実を伝えなければならない。



「…っ、元気そうだった?」

「あぁ。…ジョングガ、」

「……昼は、…やりすぎた」

「…こっちこそ、ごめん」

「ヒョンは謝らないで」

「…でも、」

「お願い。


……ヒョン、お願いっ……」







何してるんだろう、僕。
ジョングクも、Aちゃんも悲しませて。




何にも出来ないって言い訳ばかりして。
行動すら、起こしていないのに決めつけて。









「……婚約は、…する、よ」

「……ヒョン」




だって、また隠したら、
ジョングクが悲しむ。


どっちにしろ言わなくちゃならないんだ。







「…ヌナがいいってっ……?」

「………うん」


「………一つだけ、言わせて」

「…あぁっ、……っ、何っ…?」




ジョングクはかつてこう言ってくれたことがある。


ヒョンの苦しみは、自分の苦しみだと。
でもな、ジョングガ。





お前が苦しいと、僕も苦しくなるんだ。








「………ヌナを、


幸せにしてあげて。…お願いっ」






運命は、どこまでも残酷だ。

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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年10月24日 11時

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