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「ヒョン、話がある」
「…うん」
帰宅すると、ジョングクが待っていた。
電気もつけずに、ずっと待っていたのだろうか。
「…Aちゃんに会ってきた」
事実を伝えなければならない。
「…っ、元気そうだった?」
「あぁ。…ジョングガ、」
「……昼は、…やりすぎた」
「…こっちこそ、ごめん」
「ヒョンは謝らないで」
「…でも、」
「お願い。
……ヒョン、お願いっ……」
何してるんだろう、僕。
ジョングクも、Aちゃんも悲しませて。
何にも出来ないって言い訳ばかりして。
行動すら、起こしていないのに決めつけて。
「……婚約は、…する、よ」
「……ヒョン」
だって、また隠したら、
ジョングクが悲しむ。
どっちにしろ言わなくちゃならないんだ。
「…ヌナがいいってっ……?」
「………うん」
「………一つだけ、言わせて」
「…あぁっ、……っ、何っ…?」
ジョングクはかつてこう言ってくれたことがある。
ヒョンの苦しみは、自分の苦しみだと。
でもな、ジョングガ。
お前が苦しいと、僕も苦しくなるんだ。
「………ヌナを、
幸せにしてあげて。…お願いっ」
運命は、どこまでも残酷だ。
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年10月24日 11時