「I」DOL 2 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:209,955 hit

69 ページ26

デビュー評価の練習は、たった少ししかなくて、
気がつけば最終回前日。

緊張で、どうにかなりそうだ。
もし、だなんて考えてしまうから。

でも、決めたことがある。

『…………全員に、話があるんです』

今こそ、明日を迎える前に。
伝えておきたいことがあるから。

「…………知ってたよ」

「……女の子だったんですか…？」

今さら、という眼差しと、
どうして、とこちらを見てくる眼差し。

『…………ごめん、なさい』

「…バカだよ、お前は。

今日言ってどうするんだ、俺は聞かなかったことにする」

「俺も。……正直、AはAだ。
別に性別関係なくないか？」

「………道理で可愛かったんですね」

「…え、ヌナって呼んでいいですか!?」

「だから言ったじゃないですか、俺の1pickはどこまでも可愛いって」

…………あ、あれ？

なんか、イメージと違う。
もっと、今すぐ出ていけと言う感じの、その空気をイメージしてたのだが。

「………はいはい、まとめるよ？

まとめると、俺たちは聞かなかったことにする。

別に、Aが女の子でもデビューはできるし、何の問題もないってこと。オーケー？」

ジニョクが、パン、と手を叩いて丁寧に説明してくれる。

『………………あり、がとう』

「水臭いですよ、…ヌナ」

「オッパと呼んでくれたまえ」