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「ヒョン大丈夫ですか?」
『………何とか』
一瞬息が止まるかと思った。
どうして、あそこにいたのだろう。
『……………っ、行かないと』
「あ、ヒョン!!!!結果………」
あの人に、きちんと向き合わなくちゃ。
もう逃げないと、言わなくては。
フラフラとした足取りで、観客席を見渡す。
"ねぇ、あれAくん?"
"どうしたんだろうね?"
私が弱かった。
だから、あの日、言い返せなかった。
でも、今は違う。
走れ。止まるな。
『……………っ、アンジヨン!』
「………あら、…今一番会いたくないのに、
よく見つけたわね、キムA」
余裕そうな微笑みに、
変わっていない姿。
「…………せいぜい忠告したのに。
あの日から、姿を消したからてっきり響いたのかと思ってたわ」
『…アンジヨン、』
「まさか、元ビッヒの練習生が男として潜り込んでる。
こんなスクープなかなかないと思わない?」
あぁ、ちっとも変わってない。
『………………言えば?言いたいんでしょ?』
きっと前の私なら逃げてた。
だけど、
「逃げるな」、でしょ。
ね、ジミン氏?
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年8月3日 7時