紅一点、辞めます 2

57. ページ14

「……………言えるわけないだろ、やっぱり」

「…………ですよね」




あんなに必死な姿を見たら余計に言えない。

あんなに頑張ってるのに。





報われないかもしれない、なんて考えたくないけど。



「…………そういえば、今日一生懸命素のヌナ出てませんでした？


ほら、ホソギヒョンが支えた時……」





暗い雰囲気になりたくなくて、咄嗟に話題を変える。





「……………そうだね、そういえば。

…………あの言い方、Aだったなぁ………」








少しでも、前のAが思い出されて嬉しいのに。


一緒にステージに立てる日が来ると信じてたのに。






頭を殴られたみたいに、道が閉ざされて。








「…………………Aらしいよな、あぁいうところ。


やっぱり、AはAなんだろうな」




少しの望みでも、あるのなら。

俺たちは、Aを信じて待つしかない。





だから、どうか。


また、みんなで笑い合える日が、来ますように。

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