君の涙が乾く頃 (ページ10)

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■ ページ10

「…………………何しに来たの」

「いや、塞ぎこんでるかなって。俺って優しいですから。

ほら」

手に持ってる、大量の缶ビール。

「………………しょうがないから、付き合ってあげますよ、ヒョン」

眠れるわけもなく、布団の中でもぞもぞとしていた。

体は疲れてるはずなのに、全く眠れなくて。

「…………ありがと、ユンギ」

「お礼はきっちり返してもらいますから」

照れ臭そうに、顔を見せないようにするユンギ。

何でも、わかってる。さすが元ルームメイト。

「俺は飲むけどヒョンはほどほどに………って

流し込みすぎでしょ」

豪快にぷしゅっと音を立てて開けられたビールを一気に飲み込む。

今日の、景色も、

あの日の景色も。

すべて、喉に流し込んで。

「……………………あれ、……星ってこんなに、キレイだったんだ」

ふと目にした夜空に輝く星。

キレイだと感じたのはいつぶりだろう。

………………時計の針が、

少しずつ、少しずつ動き出して、

世界に明るさが戻り初めたような、そんな気がした。