■ ページ9
「………………ヒョン、あのAって子……」
サイン会もありがたいことに大盛況に終わり、ひとまずARMYにもう一度戻ってこられたことを伝えられてよかった。
「………………ナムジュナ、」
「………似てましたね」
顔は全然似てないのに。
ふとした笑い方とか、緊張してる顔とか。
何でだろう、Aを思い出してしまうんだ。
他人に重ねるなんて最低だってわかってる。
でも、名前も一緒で、
俺たちの前に現れたのは。
どうしても、ただの偶然にしては出来すぎてるって思ってしまうんだ。
「……………ヒョン引き留めてたじゃないですか」
「ヤー体が勝手に動いたの」
「スタッフさんに怒られてましたもんね」
………………あれは、勝手に反応してた。
「…………………っ、はぁ」
おかしいな。
やっと、進めると思ったのに。
やっと、ここから歩み出せると思ったのに。
Aのことを、忘れるどころか
こんなにも、恋しい。
863人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:つばき。 | 作成日時:2020年5月27日 12時