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その後もメンバーさんに名前を聞かれてはもう一度聞かれる事態が発生し、
もしや私の名前でそこまで盛り上がるのには訳があるのか?と疑ってしまう。
何だろう、
全員何かをかみしめてるような、
そんな表情をされて。
ごくごく、至って平凡な名前なんだけどなぁ。
「ヤー、Aあんたすごいじゃない!」
『何が?』
「ジンニムに手!掴まれてたでしょ!?」
と天国から帰還したと言わんばかりの表情のソラに捲し立てられる。
『たまたまじゃない?』
「あんたねぇ、それがどれだけすごいことか知ってる!?超ラッキーよ!!!!
もう、歴史の瞬間よ!!!!」
そんな大げさな。
初対面で、そこまで認知されたのは、確かにラッキーなのかも、なんて。
「いいなぁ、一般人のアイドルの恋」
『ありえないから。名前聞かれただけでそんなことないでしょ』
「いーやー!運命の瞬間はどこに転がってるかわかんないから!」
………………確かに、全員に二度も聞かれるなんて、
ちょっと偶然にしてはできすぎ、のような気もした。
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年5月27日 12時