君の涙が乾く頃 (ページ6)

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待ちに待ったサイン会。私じゃなくてソラが、ね。

「うぅ、緊張する………………！」

『いや、なんで』

「なんでって3年ぶりじゃん！！！！！」

と大量に花冠やらカチューシャやら、よくわからないものをパンパンに詰めこんだ袋を持ちながら熱弁してくる。

「活動休止の時はすごかったからね」

気のせいか、ちらほら泣いてる人もいる。

今日は、こうやって復帰して初めてのイベントなんだとか。

……………なんで活動休止したんだろ、なんて思いながらレーンに並ぶ。

「あ、ほらほら進んで」

ぐいぐいとソラに押される。

『痛いんだけど』

「もーっ、え、ちょ、今日初めジンニム!?ヤバい………っ！」

あぁ、聞いてない……………

ソラはとことん夢中になる能力だけはあるんだから。

「進んでください」

スタッフさんの合図で、一斉にレーンが動き出す。

次は私の番かな。

全然ペンじゃないのに来てしまったが、場違いじゃないだろうか。

一応髪型もチェックしておこう。

「ほら、行ってきて！」

『わかってるって』

「あ、あんにょん。お名前教えてもらえますか？」

これ、フルネームの方がいいのかなぁ？なんて

『カンAです』

「…………………A…？」