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やってしまった。
ついに、交換をしてしまった。
「うわぁぁぁぁ…………………っ!」
部屋の中で、RJのクッションに顔をうずめながら、頭をぐりぐりと押し付ける。
勢いって、大変だ。
こんなにも、突進してしまうものなのか。
カトク、いきなり送って大丈夫だったかな。
夜分遅くしすぎたかな。
Aこちらこそ、わざわざありがとうございます
……………あ、
「返事、来てた………………」
たった、それだけの短い文章。
あの子はどんな想いで送ってきてくれたんだろう。
……………カトクの、名前が、シンプルにA、で。
そういえば、Aもそうだった。
あんまり、カトク見ないし、シンプルにしか返してこないし。
『ソクジナはマメすぎるんだよ。これくらいがちょうどいいの』
なんて、言われたっけ。
友だち一覧から、見つけ出した懐かしい名前。
【A】
会話は、2017年12月4日で止まったまま。
……………消してしまおうか。
でも、この思い出をなかったことにはしたくない。
一瞬思い止まって、やっぱり消すのをためらう。
………………3年の月日が流れても、
僕はまだ、彼女に未練だらけのようだ。
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年5月27日 12時