君の涙が乾く頃 (ページ24)

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『…………何してるんですか』

「ここってクレジットカード払えないみたいで…………」

しょぼん、とするソクジンさんは怒られた子供のよう。
いつもはあんなにキメポーズをしている同じ人とは到底思えない。

『…………いくらですか？』

「えっ、」

『これで』

普段カードしか持ち歩かない人生を想像できずに、財布から現金を取り出す。
…………逆に私はカードが全くないよ。

「いや、でもそんな

『後ろの人待ってますから。早くしちゃいましょ』

あたふたと慌てるソクジンさんは、すっかりステージとは別人。

アイドルの人間さを垣間見したような、そんな気がした。

「ありがとう、助かったよ」

『いえ』

「あ、の。お金返すから」

『あぁ。大丈夫ですよ？』

たかが、10000ウォン程度だし。

「ダメ！！！！それは絶対ダメ。ちゃんと返すから」

と必死に止められてしまった。

「ごめんね、この前も今回も。…………あの時はありがとう」

『何もしてないです。でも、お元気そうでよかった。

まさか、こんなところで会うなんて思ってませんでしたけど』

　
縁とは不思議なものだ。