君の涙が乾く頃 (ページ21)

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■ ページ21

「…………ヒョン、起きましたか」

「テヒョン」

「あぁもう。病み上がりなんだからそんなに動かないでくださいよ」

テヒョンに起き上がるのはダメだと言われ、大人しく枕に頭をのせる。

…………随分、すっきりした。

こんなにも寝つきが良かったのはいつぶりだろうか。

「お腹すいてない？何か食べたいものあります？」

「…………いや、いいよ。大丈夫」

そう言えば、こんな風に寝つきがいい日は決まってAが隣にいる日だった。

心地よい、リズム。

心地よい、ぬくもり。

もう、あのぬくもりは感じられないと思ったのに。

夢の中でも、寝かしつけてくれたのかな。

「あ、ホソギヒョン」

「ヒョン大丈夫？」

「ごめんな、心配かけて」

「…………ちょっと、しゃんとしてるね、うん。

顔色、今までで一番いいんじゃない？」

それは、きっと

あのぬくもりのおかげ。

「…………名前を、呼ばれた気がしたんだ。

＿＿＿＿Aに。すごく、心地よかった」

そう言いながら、涙で濡れた頬を触ってみる。

「…………乾いて、る…？」

Aの夢を見る日は、決まって涙が流れているのに。

不思議だ。

だけど、その理由が何となくぼんやりとわかった気がした。