交際 0 日婚【YG】 (ページ9)

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「何ためらってんだ」

『あーーーっ！もう、邪魔しないでよ！』

「早く出しに行こうって言ってんじゃんかよ」

結婚を決めた男女に待ち構える、次の難関。

そう、それは婚姻届である。

ぷるぷると紙を何度も見返しては、ペンを持てない。

この紙切れで。たった1枚のペラペラな紙切れで、

私たちの運命が大きく変わるからだ。

『…………字、汚いって思われたらどうしよ』

「誰も見てないって。俺はもうとっくに書いて暇なんだ。

早く書け」

と、ユンギが私に早くと迫ってくる。

『…………い、いいんだね？私で』

「何度目だよ、それ。おーよ、いい」

『……罰ゲームとかじゃ、』

「断じてないな。ほれ」

ペチンっ、とデコピンたるものをされ、地味に痛い。

「夢じゃないってわかったか？」

『……………はい』

「俺もまだまだだけどさ。

頑張って、結婚してよかったって思われるように努力するから。

Aは、そのまま純粋に俺のとなりにいてくれるだけでいいから」

いつからそんなキュンセリフを…………

ミンユンギ。

彼は天性のタラシである。

「あー、ご結婚おめでとうございます！」

「ありがとうございます」

『………………あ、ありがとうございます…………』

この後市役所でめちゃくちゃ恥ずかしくなった。