36話 ページ38
.
「じゃあ、そろそろ送るね」
彼が着替えを済ませた私の元に来て言った
『あ、…うん』
もう、そんな時間
名残惜しい気持ちを感じているのは私だけ
彼は私とは違ってそんなことひとつも思わないんだなと思うと目頭が熱くなる
両手に持った彼に借りたスウェットを握りしめていると彼が手を差し出した
「スウェット置いて言っていいよ」
…っ
彼の言葉ひとつひとつに距離を感じてしまう
このスウェットを返せば
彼と会うきっかけが無くなってしまのでないか、と
『洗って返すよ』
貴方にもう一度会いたい
会うための口実が欲しい
「気にしないで置いていって」
私の想いなんて、何も届かない
さすがにそこまで言われたら
逆に持って帰るのが悪い
彼の言ったひとことに控えめに頷いた
『…うん』
私の返事を聞いた彼は
ニコッと微笑んで部屋を出た
帰りは手、繋いでくれないんだね
.
.
「ばいばい、A」
『うん。またね』
いつもと同じように笑顔で手を振る彼を見送った
初めて彼と迎えた朝
彼の家で見た熱っぽい表情
やっぱり私には濃い時間
特別なひと時だと思う
彼のことを考えると胸が締め付けられて、苦しくて苦しくて、他に何も考えられなくなる
.
ねぇ、まふくん
.
あなたにとって私はどういう存在ですか？
どんな風に見えていますか？
.
私はただの都合いい人とは思えなくなったよ
会えなくなるその時まで
私はあなたを好きでいたい
.
それじゃだめかな？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんず(プロフ) - 更新楽しみに待ってます♪ (2019年1月11日 6時) (
レス) id: 98acc9f874 (このIDを非表示/違反報告)
Maa(プロフ) - ぽんずさん» 読んでいただきありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年1月9日 17時) (レス) id: 5b07d0752a (このIDを非表示/違反報告)
Maa(プロフ) - アリスさん» もう少しでわかります( ´艸｀)面白い作品になるように頑張ります！！ありがとうございます！ (2019年1月9日 17時) (レス) id: 5b07d0752a (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 続きが気になる….！！！ (2019年1月9日 7時) (レス) id: 98acc9f874 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - まだ出ていない人…そらるさんかな？うぅー続きがきになる！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年1月8日 0時) (レス) id: db92432c81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Maa | 作成日時：2018年11月13日 18時
