青春ならぬ生殉【魔入りました！入間くん】

生殉１６話 ページ17

……当たらない





私は目を見張っていた
それはもう、目が血走るほどに




この地獄であろう二十分間

入間君は、避け続けていた
一回も、火球に当たることなく華麗に避けていた








……天才か

防御力ハンパねぇ
本当に同じ人間か！？





と、私は驚いていたが、周りの悪魔達も負けず劣らず驚いていた


相手は何を隠そう首席だ

きっと、入間君が負けるものと思っていたのだろう









……私も内心、少しだけ思っていたが









「…凄いな」


「だよねー、特待生、話してみたいな！！」




「え」





独り言なのに、返事が帰ってきた

横を見ると、金髪の悪魔
如何にもチャラそうな……中学生の男の子みたい





「あ」

とあっちも反応し、元気に笑って自己紹介を始めた






「シャックス・リード。君、あの子の従兄妹…だっけ？」



「はい…Aです」




「ふーん…」






それっきり

なんだったんだ、と言いたいくらい話がなくなった







そして、再び入間君の方を見ると…






「えっ」





中庭の中心に、アスモデウス君の頭をかち割るようにして奇妙なポーズをとっていた






…この数分間、何があったんだろうか

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