浪漫.7 ページ8
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「うわぁっ…!!」と感嘆の声をあげた。
それもそのはず。
現在、Aは人生で初めて袴というものに袖を通していた。
紫色をした矢柄の着物に、えんじ色の袴。
明治時代らしい茶色のショートブーツ。
これをコーデを選んだ…いや、仕立ててくれたのは、紛れもないあの川上音二郎と泉鏡花であった。
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遡ること数時間前。
朝餉を食べ終え、周りの人から奇妙な目で見られながらも、川上という人物に会うために小泉の跡を着いて行った。
藤田は自分の仕事があるらしく、遅くなる前に家にいればいいと言われたので大丈夫だ。
今日は一日小泉のストーカーである。
「八雲さんはどこまで英語を知ってるんですか?」
「おや、Aさんは英語を喋れるのですか。」
「基礎程度ですけどね。」
なんてちょっと時代離れをした話をしていると、その例の川上という男が見えたらしい。
「Oh、川上さん!と、泉さんも!此方ですよ!」と茶髪と赤髪の二人に目がけて叫んだ。
振り向いたふたりはまたもや美形で、「こりゃまたべっぴんさんだ…」と見とれてしまう。
川「なんだなんだ、まァた変わった女がいると思えばお前の連れか。」
泉「…」
小「私の連れというより、藤田サンの連れです。ね、Aさん。いやぁ、すぐに見つかって助かりました!」
川「なんだ、俺達に何か用か?」
泉「面倒事は嫌だからね。」
小「このAさんに、着物を見立てていただきたいんですよ。この格好、どうにもここではういてしまうでしょう?ね、Aさっ……Aさん?」
「っひ……ひぃっ?!ちょ、何その白いの……あ、え…ウサギ……?」
さっきから無愛想に喋らなかった赤髪の肩に、なにか白いモヤがかかっているのがぼんやりと見える。
それはぽわぽわとはっきり見えてきて、兎の形を象っていった。
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雪路 - とっても面白いです!私は藤田さんファンなので、藤田さんとの絡みがたくさんあってすごく嬉しい( 〃▽〃)これからも更新頑張ってください!応援しています☆ (2019年7月28日 23時) (レス) id: c4ea89a33d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - とても面白いです…!! (2019年7月13日 9時) (レス) id: 3a593efc86 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - せりなさん» ありがとうございます〜!!!! (2019年7月6日 19時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
せりな(プロフ) - 面白いです! (2019年7月5日 8時) (レス) id: 9f79ffa67e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - アミュレットさん» 私もです〜!我慢できずにとうとう夢小説に手を出してしまいました…笑 . 私鏡花ちゃんが好きなので、音二郎さんと取り合われるのが楽しすぎて…! (2019年4月19日 19時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
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