浪漫.46 ページ49
道を歩いている人達は、それを実に怖がっていた。
それというか、人なんだけども。
人と言うにはあまりにも恐ろしい気配を身にまとっていて、誰も近づこうとしない。
そう、お察しの通り。
物の怪……ではなく、
それは藤田五郎の姿だった。
ドスドスと大股早足で歩いていて、見えないはずの黒いオーラがどよよんと漂っている。
何故こんなにも藤田は機嫌が悪いのか。
理由は簡単だ。
あの川上に、Aを連れ去られたこと。
正確に言えば、連れ去られたのではなくAの意思でついて行ったのだが、今そんな事実はどうでもいい。
川上と一緒にいることは百歩譲っていいとして、話をよく聞いたら、舞台をやらせる?
ふざけるのも大概にして欲しい。
今すぐ連れ戻しに行く。
・
・
そんな藤田に情報を教えたのは、今現在藤田の後ろを駆け足で追いかけている泉と菱田だった。
高身長 藤田の大股は、低身長 泉・菱田には走っても追いつけない。
たまたま二人で歩いているA達に遭遇して、
どこに行くのかと尋ねたら、
「稽古場。私可愛いから。」
なんておちゃらけたように言っていて。
その後に仕事から早く帰った藤田にAの行方を聞かれたから、ついポロッと言ってしまったのだ。
泉の、川上への嫌味付きで。
泉「どうするの!」
菱「そもそも泉が川上さんに仕返しだって大袈裟に言ったのが発端でしょ。」
泉「ぐぬっ…で、でも間違ったことは言ってないはずだ!!」
菱「それはそうだけど。川上さんがどうなっても知らないよ。」
泉「じゃあどうするのが正解だったって言うのさ!」
菱「それは…。」
その先が出てこない。
確かに、言っても言わなくても後々面倒なことになるのは目に見えていた。
泉「ぜぇっ…はぁ……ここ、だよ…川上の稽古場は…。」
菱「泉…そんなに息切れするほど動いてないよ俺たち……。」
泉「うっっるさい!!!」
.
151人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪路 - とっても面白いです!私は藤田さんファンなので、藤田さんとの絡みがたくさんあってすごく嬉しい( 〃▽〃)これからも更新頑張ってください!応援しています☆ (2019年7月28日 23時) (レス) id: c4ea89a33d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - とても面白いです…!! (2019年7月13日 9時) (レス) id: 3a593efc86 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - せりなさん» ありがとうございます〜!!!! (2019年7月6日 19時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
せりな(プロフ) - 面白いです! (2019年7月5日 8時) (レス) id: 9f79ffa67e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - アミュレットさん» 私もです〜!我慢できずにとうとう夢小説に手を出してしまいました…笑 . 私鏡花ちゃんが好きなので、音二郎さんと取り合われるのが楽しすぎて…! (2019年4月19日 19時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ