浪漫.4 ページ5
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「……お前、頭は正気か?」
「藤田さんレディに対してそれはどうかと。」
これでも端的に、かつ詳しく話したつもりだ。
自分はもっと先の未来の平成という時代から来て、
その記憶は自分の名前くらいしか覚えてなくて、
でも気づいたらここ、明治時代に居て。
自分だって未だに上手く把握出来ていないし、飲み込みもしていない。
期待もあるが、不安の方が大きい。
「…今は、こんな拙い文章でしか言葉に出来ない程 自分でも理解出来てないんです。」と小さくつぶやく。
流石にそれには藤田も何も言えなくなってしまった。
本気で悩んでいることが伝わったからだ。
藤田は、「はぁ…」と呆れたようにため息をつくとAに話した。
「とはいえだ。正体不明な事に変わりはない。」
「…。」
「…だから、俺が見張れば問題は無いだろう。」
「……え、え?今なんて言いました?」
「俺が見張れば問題ないと言った。
幸い、俺の周りは変な輩が揃っている。一人二人増えた所であまり変わらない。」
「ふっ、藤田さぁぁんっ…!!」
「五月蝿い。取り敢えず今日はもう遅い、早く寝ろ。召し物やら何やらは明日だ。」
「はい!」
元気よく返事をして、立ち上がる。
不思議と怖かった気持ちがふわふわと晴れてきた。
当分は何とかなりそうだ。
せっせか布団を敷くのを手伝い、うっすらと襖の間から覗く赤い月を横目に寝転がる。
「…案外私、非道なのかな。」
どこか明治に馴染みたい気持ちがあって。
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雪路 - とっても面白いです!私は藤田さんファンなので、藤田さんとの絡みがたくさんあってすごく嬉しい( 〃▽〃)これからも更新頑張ってください!応援しています☆ (2019年7月28日 23時) (レス) id: c4ea89a33d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - とても面白いです…!! (2019年7月13日 9時) (レス) id: 3a593efc86 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - せりなさん» ありがとうございます〜!!!! (2019年7月6日 19時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
せりな(プロフ) - 面白いです! (2019年7月5日 8時) (レス) id: 9f79ffa67e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - アミュレットさん» 私もです〜!我慢できずにとうとう夢小説に手を出してしまいました…笑 . 私鏡花ちゃんが好きなので、音二郎さんと取り合われるのが楽しすぎて…! (2019年4月19日 19時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
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