浪漫.35 ページ36
馬車に揺られて鴎外の屋敷まで向かう。
左側の座席は 菱田と、菱田の膝に頭を乗せているA。
右側の座席は ここまでAを運んできてくれた泉。
まだぼんやりとした頭の中、ほんのりあったかい菱田の膝は本当に心地がいい。
馬車の揺れと、
程よい人肌と、
水で重たい身体。
Aの意識は、ぼんやりとしたものからはっきりとシャットダウンした。
・
・
｢んっ…｣と小さいうめき声を上げながら、ゆっくりと目を開ける。
黄色っぽい穏やかな部屋の電球。
明治時代とは思えない洋風な部屋の作りや家具。
藤田の家で使っている敷布団とは違う、ふかふかのベッドで、Aは本日何度目かのお目覚めをした。
ゆっくりと体を起こして、寝る前の記憶を思い出す。
覚えている限りでは、多分ここは森の屋敷…とかなんとか と言っていたはず。
服はあの袴ではなく、寝間着である白い浴衣のような着たことの無いものになっている。
頭を悩ませて今までのことを思い出していると、｢Aさん。｣と声をかけられた。
ぱっと振り返った途端、ぎゅっ…と梅雨に抱きしめられる。
梅｢良かった…生きていらして……。｣
｢あはは、大丈夫ですよ梅雨さん。私はここにいます。｣
梅｢もう会えないかと思いましたのよ…っ！Aさんったら無茶する所があるんだから。｣
｢以後気をつけます。…それより梅雨さん、あれから何があったんですか？寝てたから覚えてなくて…。｣
梅｢屋敷についてから、まずお医者様がAさんのことを診て下さったんです。特に異常はない、目を覚ますのを待つだけと仰ってました。｣
｢それで？｣
梅｢それから…。この屋敷に仕えてる方が Aさんを暖かい拭物で拭いて、召し物を変えて…今に至ります。｣
｢どれくらい時間経ちました？｣
梅｢うぅん…お昼頃から今の夜くらいになる迄かしら…。｣
詳しく教えてくれる梅雨に感謝しかない。
最初は付きっきりで菱田と泉が居てくれたらしいが、森に止められて一階に行ったそうだ。
小机に置いてあった袴に袖を通して、｢早く元気な顔を見せて安心させてあげよう。｣なんて考えながら部屋から出る。
｢おはよーございまー……あれ…っ？｣
菱｢A…！｣
やけにわちゃわちゃと人口密度の高い一階。
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雪路 - とっても面白いです！私は藤田さんファンなので、藤田さんとの絡みがたくさんあってすごく嬉しい( 〃▽〃)これからも更新頑張ってください！応援しています☆ (2019年7月28日 23時) (
レス) id: c4ea89a33d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - とても面白いです…！！ (2019年7月13日 9時) (レス) id: 3a593efc86 (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - せりなさん» ありがとうございます〜！！！！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
せりな(プロフ) - 面白いです！ (2019年7月5日 8時) (レス) id: 9f79ffa67e (このIDを非表示/違反報告)
み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - アミュレットさん» 私もです〜！我慢できずにとうとう夢小説に手を出してしまいました…笑 . 私鏡花ちゃんが好きなので、音二郎さんと取り合われるのが楽しすぎて…！ (2019年4月19日 19時) (レス) id: 8c1d057699 (このIDを非表示/違反報告)
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