【明治東亰恋伽】本と、剣と、ハイカラと。【愛され】

浪漫.37 ページ38

にゃぷーん…という効果音がつきそうな様子のA。

というかまだ触れていないが、あの金髪は誰なのか。

前に菱田の学校に行った時、同じ教室にいたのは覚えている。

だが、それ以上は全く知らない。
つまり赤の他人だ。

川上や小泉が居ることに関しては、今どうでもいい。

大方、風の噂で"赤髪戯曲家が心中事件か"なんて聞いたのを鵜呑みにしたのだろう。


とにかく、金髪に声をかけてみる。



｢あの、ところで…こちら誰ですか…？｣

横｢ん？俺は横山大観だ。誰かと思ったらお前 春草の逢引相手か。｣

菱｢ッゲホ…ゴホッ……！！｣

泉｢あっ…｣

川｢逢引相手ｪっ？！！｣

菱｢っちが…ちょっと大観！！｣

｢逢引相手って？｣

森｢愛し合っている男女の事、かな。｣

｢へー…。｣

菱｢あのねぇっ？！あっけらかんとしてないで、君もちょっとは否定してよ？！｣

｢あはは、面白くて。｣

菱｢どこが！！｣



Aと居ると、大抵菱田は大声を上げている気がする。

それほどAは人を掻き回すらしい。


というかよくよく考えたら全く話が進んでいない。

｢いや今そんなことじゃなくてさ、｣と脱線した話をきっちりと戻す。









｢何してるの横山は。｣


横｢いや心中事件に春草が関わってるって言うから慌てて駆けつけたら、春草が心中したわけじゃなかった…それでお前が居た…ってことは…。

春草の想い人は違う男と心中したってのかｯ…？！！｣


菱｢頼むからそれ以上ややこしくしないで。｣





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