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浪漫.52 ページ7

その嫌な空気が2人にも伝わってしまったらしい。

「っあごめんね…別に物の怪を悪いもの扱いしたいわけじゃなくて…」と滝に気を使わせてしまう。

顔に出過ぎていたとAも反省して、「ううん困ってんのに変わりはないから、廉太郎が謝る必要なんてないよ」と言う。

申し訳ないことをしてしまった。
自分の都合で向こうに謝らせるなんて。


何だかほんと。
まいってしまう。

昨日からずっとそうだ。
上手いこと物事が進まない。

自分が生きていた時代だって、こんな上手くいかないことは無かっ…た……。


…自分が生きていた時代?


はっ…と息を飲む。

今 喉辺りまで記憶が出ている気がして。
霧が、もやが、もう少しで晴れそうで。

あと少し、あと少しなのだ。

断片的にだけれど、記憶がほんのりと帰ってくる。


黙り込んだAに、「A?」と大観が名前を呼ぶが、当の本人には聞こえていない。

「どっ、どうしちゃったのAさん。」と滝も心配する。

…が、やっぱり返事は返ってこない。


そんなAを見て、滝は「っあ、まさか物の怪に取り憑かれたんじゃ…?!」と突拍子もないことを言い始めた。


横「はァ?!まさかっ…Aに限って…?」

滝「僕達が物の怪の話なんてするから、Aさん取り憑かれちゃったんだよ…!!」

横「んな事言ったって…どうすりゃっ……?!」


どんどん話が膨らんでいく中、Aの心の不安だけが募っていく。


おかしい。

思い出したいのに。
現代に帰れると言うのに。

自分が、自分が何者なのか知れるかもしれないのに。


…なんで、

なんで。









泉「…A……?」


「……っ…あ……………。」





ぽろぽろ涙をこぼす彼女は、
あまりにも弱々しかった。

.

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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - ちょこれーとさん» 私ハピエン厨なくせにそこまでいくのに死ぬほどシリアスにしたい民だから、良ければ付き合ってやってください…最後は幸せにするぞ!!笑 (2019年12月12日 16時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - なんかラストに向けてが切ない… (2019年12月10日 19時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅーぽむ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月16日 2時

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