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浪漫.61 ページ16





授賞式後。

Aは、ド緊張しながらも何とか式を終えた。


授賞自体が終わってしまえば、パーティーと何ら変わりはない。

他の作家さんや編集長なんかと会話をしたり、あとは最年少受賞者としてスピーチしたり。

ここまで一緒に頑張ってきてくれた編集者さんは、Aのガチガチスピーチ中ぽろぽろ涙を流していた。

お酒をたしなめるような歳になって、自分も随分歳をとったなと感慨深くなる。


夜は、いつだって短い。








自宅に帰ったAは、自室で椅子にかけながらふぅ…と一息ついてあっという間だったパーティーの余韻に浸っていた。

机は原稿用紙やらPCやらが散らかっている。
そこに一際目立つ本がぽつんと置かれていた。

これこそが、Aが書いた小説。

どんな内容なのかと言うと Aが夢で見た…いや、実際に体験したかもしれないことを少しずつ加筆して描かれた小説だった。


今思い出しても、まるで長い夢を見ているようだった。

夢にしてはやけに現実的で、かつ人間味が濃くて。


白うさぎや髪の綺麗な人の後ろ姿、見慣れないはずの袴に鹿鳴館…。
そして何よりも、空に浮かぶ満月。

そういうものを見ると、何故か胸がぎゅうっと苦しくなって。

今でも思いだせない。
思い出したいのに、思い出させてくれない。

文字にするならそういう感情。


ぎゅっ…と胸元を押え、苦しくなる心を抑える。

本をうっすらと触り、懐かしいような…誰かに会いたいような気持ちに浸った。









” 明治東亰恋伽 ”

それが、この本の名前。




.

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み ゅ ー ぽ む 。(プロフ) - ちょこれーとさん» 私ハピエン厨なくせにそこまでいくのに死ぬほどシリアスにしたい民だから、良ければ付き合ってやってください…最後は幸せにするぞ!!笑 (2019年12月12日 16時) (レス) id: 60c355a2ab (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - なんかラストに向けてが切ない… (2019年12月10日 19時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅーぽむ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月16日 2時

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