放課後の2人【前野智昭】

まるろく ページ6

「…じゃあ私っ､さっきまで好きな人のお嫁さんに宣戦布告してたってことじゃないですか…








しかもっ､心を奪いたいなんてっ…







山後さん､微笑ましいですって言ってくれたのは､私から奪えないくせに必死なのが見てて微笑ましいですってこと？」







うるうるお目目でこちらを見られる｡







『…そんな訳じゃないです』









「じゃあどういうわけなのよっ！！！！」









『そのままです｡一途でかわいらしいなぁと｡』









「…っ､嘘つかないでよ…」









『嘘じゃないです』









「内川先生､早くここから出ないと校長がお目見えになられますよ」









「…私は邪魔者ですか？」









「これから校長も交えてポスターを作るので邪魔ですね」








『ちょ､先生それは無いんじゃ…』









「そ…ですか…







失礼します…」









「あぁ､内川先生」









「…なんでしょう」









「この件は生徒に広めないように｡









生徒に話した教師はクビが飛ぶらしいですよ」









内川先生が怯えた顔をしてからそっと部屋を出ていく｡









パタン､と扉が閉じてすぐに､智昭くんに抱きつく









『…智昭くんなんて…大っ嫌い…』









「おう｡」









ぎゅってされて､頭をぽんぽんとされる






「…」







『…もっと奥さんのこと好きアピールしてたら








内川先生は…心を奪いたいなんて言わなかったよっ








お見合いだから､愛がないって言われたの









…こんなに好きなのは私だけって知ってても､悲しくなった…』









「や､Aそれは違『忘れ物したからとってくる』…おう」









…智昭くん､続きなんて言おうとしたんだろう｡









本当は好きだと思ってくれてないことなんて知ってる｡









だって､毎日女の人助手席に乗せて帰ってきてるの知ってるもん









俺以外の男と2人っきりだと心配みたいなこと言いながら自分は私以外の女の人と2人っきりになるんじゃん？









『ほんっっと意味わかんないっ！！！』









久しぶりにこんな大声を出したかもしれない｡









ラッキーなことに教室棟には誰もいなかった








良かった









「…山後会長､大丈夫？」









『校長先生！！





大丈夫ですよ〜！』







校長先生がいらしたから1人じゃ無かった

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