放課後の2人【前野智昭】

まるご ページ5

「山後さ〜ん」







『内川先生､どうなさいましたか？』







内川先生…智昭くんのことご飯に誘ってた人｡








私は独占欲が強いわけではないと思うけど









“私の”智昭くんを狙ってるからあんまりよくは思ってない









「山後さん前野先生と仲良いからさ､前野先生どこいるか知ってるかなぁって思って」









『前野先生は今生徒会室で私と一緒にポスターを作れと頼まれたので準備をしています』









「あ、じゃあお手伝いに行ってもいいかなぁ」









『…､嫌､』








「…え？､山後さん…もしかして…」







…私何言ってんだ｡








『なーんちゃって！どうぞどうぞ〜！！』









…っっても智昭くんに除け者にされるだけだろうけど｡









2人で生徒会室に向かう途中で内川先生が話し始める







「…私ね､前野先生が好きなんだ」







『見てて微笑ましいです』









「…いつか奥さんから奪ってやりたいとも思ってる｡」








『…前野先生お見合い婚らしいのでそれは厳しいのでは？』









なにより私のことを好きって言ってくれたし｡









「お見合い婚なら元々愛は無いでしょう？






心を奪いたいなあ…」






『…』







智昭くんが､内川先生に取られたらどうしよう｡









智昭くんが私の智昭くんじゃなくなるかもしれない









まだありえないかもしれない事にドキドキしながら生徒会室のドアを開ける





『先生､内川先生がお手伝いに来てくれました』









「…ん？あぁ､お気持ちだけ受け取っておいて








こんなの俺と山後だけで出来るから」








しかもパソコン作業だしな！と付け加えてニッて笑う｡









はぁ…好き








「…でも､男の先生と女の生徒が2人っきりだと変な噂立ちません？」









「生徒会の仕事ですから









……まぁ俺は噂立ってもいいんですけどね









校長､教頭も知ってるし」









「え､お付き合い､なされてるのですか？｣








『せ､先生…！』







何を話してるんだこの男は｡





「あぁ､内川先生は去年からだから分からないですよね








俺らお見合いで結婚した夫婦なんです」









『それ言っちゃだめですよ…』









「お見合い婚ですが､愛はありますから









俺らの間に入れるとか思わないでください」








そう､智昭くんが笑うと内川先生は泣き崩れた

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