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部屋をノックし「どうぞー」、と少し掠れた声に促され中へ入ると、にこっと笑顔で「どうも〜。未来です！よろしく」と出迎えられた。
と、思えば一瞬固まってる女は、ゆっくりと視線を上げて目を見開く。
けど直ぐににこっと笑顔を浮かべて、俺の腕に腕を絡めてきた。
その時に腕に触れた柔らかい胸の感触にやめてくれと意味を込めて手で払って、部屋の壁に触れながら一周する俺を不思議そうに見ている。
壁は…そんな分厚くねえな。
これなら静かにさえしてれば音が聞こえそう。
「あの、まずはお風呂に入ってもらえますか？」
俺の横にちょこんと座ってそう言った女の顔を見ることが出来ない。
風呂なんて入れるわけねえし！
俺は任務中なんだよ！
「……お構いなく」
できる限り冷静にそう言えば、けっこう低い声で「は？」て返ってくる。
まあ、ごもっともな反応だよな。普通にここに何しにきてんのお前ってことだよな。
それでも「ヤル気はねえから」と伝えれば、面食らった顔をしたあと変な人、と隣から居なくなった。
それからずっとただ耳を澄ましてるだけの俺。
時々隣の部屋から艶かしい声が聞こえたりしてはあ、とため息が出る。
この数時間だけで白髪生えそう。
チラッと女、未来だっけ？を見れば部屋の掃除をしてた。ちょーミニなワンピースで。
おい待て、それじゃあパンツ見えんじゃん。
「ゴホッ！」と咳払いしたら、こっちを見る気配がしたけど、俺がもう一度見た時にはやっぱり気にした様子もなく掃除してる。
……ほんと勘弁してくれ。
「ありがとうございました」
「………………」
何もしない客に対してもちゃんと見送りはしてくれんだな。
まあ、金は払ってるけど。
この子なら潜入してる間指名しても上手くやれそうかもって、とりあえず受付で未来が出勤する日をそれとなく聞いておくことにした。
それから数日後、またやって来た俺を見て「どうぞー」と変わらずの態度の未来と、変わらず部屋の真ん中で黙って様子を伺うだけの俺。
「あの！」
だけどそれを何度か繰り返していれば、流石に俺の存在が気になるのか未来が動いた。
最初の日から俺に近寄ることはなかったのに、俺の隣にピタリと座って身体を密着してくる。
待って！なに？
「暇なんだけど」
「そう言われても」
…………困る。
けど未来が困るのも分からないでもない。
俺が仕事してるように、彼女だって仕事をしたいわけで。
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ゆきんこ(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます！スッキリして頂けて良かったです！次も作品でも楽しんでもらえるように頑張ります！！ (2021年6月26日 16時) (
レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ネタバレ？ありがとうございました！そういうことなのか、、、スッキリ！話の内容もとてもおもしろかったです！次も楽しみにしてます！ (2021年6月25日 23時) (レス) id: 760b825a9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ちゃむ丸さん» ありがとうございます(^^) (2021年6月25日 22時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ丸(プロフ) - ゆきんこさん» 楽しみにしています！ (2021年6月25日 18時) (レス) id: b0c8e366a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - mijeong0102さん» 初コメント有難うございます！なんとなく気付くことありましたか？それっぽいから確実な表現はしてないんですが、気づくとちょっと変かも？ってなればいいな程度なんです(笑)答えは後ほど後書きに＋しておきます！これからも頑張ります！ (2021年6月25日 7時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年6月7日 20時
