▼ヒーロー ページ38
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ドカッ、とドアが外れる音がしてバタバタと走ってくる音と共に現れたのは……、
「誰だてめては!?」
「誰とは名乗れねえな!」
「んなっ!? おいっ、見張りは!」
慌ただしく男たちが騒ぎ、私はベットの上でポツンとなってその様子を見学している。
入って来た男は白と赤の覆面を被ってはいるけど、私には入ってきた瞬間に誰か分かってしまった。
………目黒さん。
数人の男がたった一人乗り込んできた目黒さんに殴り掛かっていく。
でもそれを軽い動きで交わしていく姿に、この状況には合わないけどドキドキした。
「おらっ!!」
「そんなんじゃあ俺は倒せねえぞっ!!」
「うわっ!クソっ、なにやってんだ!捕まえろよ」
二人が一斉に飛び込めば、覆面目黒さんはタイミングを合わせて屈み長い足で男たちの足を払って転けさせる。
そのあと直ぐに肘で鳩尾を打ち、やられた男はオエッと吐いた。
「クソっ、おい!てめえっそれ以上暴れてみろ!この女がどうなってもいいんか!?」
「ひゃっ!?」
さっきまで上に乗っていた男に引き起こされて、よくドラマとかで観るような背後から首を締められるような姿になった私を見て、目黒さんは男の胸ぐらを掴んだまま停止した。
「っ、」
「お前、それでも男か?」
「あ"?」
掴んでいた服から手を離し、こっちを向いて威嚇している。
「男はなー! 女を守るもんなんだよっ!」
「ええっ!?」
叫びながら突進してきて、ベットの前でダンっと床を蹴って飛び込んできて、このままだと私に当たるじゃないかってなった時伸びてきた大きな手にグイッと引き寄せられて、彼の胸の中に顔を埋めた。
「うっ!」と私の呻き声とほぼ同時に背後で「うわぁっ」て男の間抜けな声とドサッと床に落ちる音がした。
どうやら飛び込んでくるとは思ってもみなかった行動に驚いて自分から落ちたみたい。
「ばーか」
「っ、目黒さん?」
「しーーーっ!! ここで名前言うなって!かっこつかねえじゃん」
覗き込んてきた顔が既にかっこ付いてないということには一切触れないでおこうかな。
遠くの方でサイレンの音がして、顔を窓へと向けたら「間に合ったか」てホッと一息ついた目黒さんは自分の着ていた上着を脱いで私の肩にかけてくれた。
「胸見えてっから隠して」
「あ、はい……」
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ゆきんこ(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます!スッキリして頂けて良かったです!次も作品でも楽しんでもらえるように頑張ります!! (2021年6月26日 16時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ネタバレ?ありがとうございました!そういうことなのか、、、スッキリ!話の内容もとてもおもしろかったです!次も楽しみにしてます! (2021年6月25日 23時) (レス) id: 760b825a9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ちゃむ丸さん» ありがとうございます(^^) (2021年6月25日 22時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ丸(プロフ) - ゆきんこさん» 楽しみにしています! (2021年6月25日 18時) (レス) id: b0c8e366a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - mijeong0102さん» 初コメント有難うございます!なんとなく気付くことありましたか?それっぽいから確実な表現はしてないんですが、気づくとちょっと変かも?ってなればいいな程度なんです(笑)答えは後ほど後書きに+しておきます!これからも頑張ります! (2021年6月25日 7時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年6月7日 20時