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「私はね、母のようにはならないって思ってた」
一人でも強く生きるんだって。
施設を出たら頑張って働いて、普通に結婚して子育て……とか出来たらいいかなって。
それで小さくてもいいから一軒家に住んで、庭には花壇をなんて作ってって。
そんな普通の暮らし、当たり前にできると思ってた。
「なのにさ血は争えないのね。私も、男に依存してた。もう無意識。はじめて付き合った人に、この人とずっと一緒に居たい。好きでいてほしい、その為にはどうしたらいい？ どうすれば一緒に居られる？って。そればっかり考えてた。そんな重い女、結局捨てられるんだけど」
それでガクンと落ち込んで、そして次の男を捜すの。
愛してほしくて、一人が嫌で。
気づけば私も母と同じことをしてた。
「それで最悪なのが、最後に付き合った男が詐欺師だったの！！」
おお、流石にこれは引いてる？
こめかみがヒクヒクしてる。
「結婚詐欺よ！ お母さんが病気で手術しなきゃいけないとか、経営してる会社が倒産しそうでヤバいとか色々あって、それまでコツコツ貯めてた貯金は無くなるし。新たに借金作ってるし。気づいた時には、借金だけ残って男は居なくなっててさー！もー最悪！」
「それ警察には話した？」
「話したよ。……でも、話しただけで、なにもなかった」
被害届け出してくださいねって事務的なことばかりで、私は悔しい気持ちを聞いてほしかったのに面倒臭そうにされて、ああもういいやって。
なんかもう、どうにでもなれって。
「人生諦めた瞬間だった。隣でね、小さな子供がお金拾ったよってお母さんと来てたの。お巡りさん、その子には良い子だねっていっぱい話てたのに」
……私の話なんて。
「……悪ぃ」
「ええ？ なんで目黒さんが謝るの？笑」
しんみりさせちゃったなぁって、何か楽しい話とかなかったかなって思い出してみるけど思いつかないなぁ。
うーん、と考えこんでいたら、ふわっと石鹸と少しだけ煙草の匂いの混ざった温もりに包まれていた。
「え？」
「こういう時は笑うんじゃなくて泣くんだよ。助けてくれって泣けばいいんだよ」
ああ駄目だ。
この人は根が優しい人なんだろう。
人の傷をまるで自分のことのように背負って、共に泣ける人なんだろう。
こんな優しい人、私には毒だ。
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ゆきんこ(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます！スッキリして頂けて良かったです！次も作品でも楽しんでもらえるように頑張ります！！ (2021年6月26日 16時) (
レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ネタバレ？ありがとうございました！そういうことなのか、、、スッキリ！話の内容もとてもおもしろかったです！次も楽しみにしてます！ (2021年6月25日 23時) (レス) id: 760b825a9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ちゃむ丸さん» ありがとうございます(^^) (2021年6月25日 22時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ丸(プロフ) - ゆきんこさん» 楽しみにしています！ (2021年6月25日 18時) (レス) id: b0c8e366a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - mijeong0102さん» 初コメント有難うございます！なんとなく気付くことありましたか？それっぽいから確実な表現はしてないんですが、気づくとちょっと変かも？ってなればいいな程度なんです(笑)答えは後ほど後書きに＋しておきます！これからも頑張ります！ (2021年6月25日 7時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年6月7日 20時
