▼ ページ2
・
部屋に入ってきた彼は部屋を見回したあと、右回りに部屋をグルっと一周してから床にドサッと胡座をかいた。
すぐ側にベットがあるのに。
「あ、あのぉ」
一言も発しないから、彼の斜め向かいに正座して声をかければギラつく瞳の中に私を映した。
「まずはお風呂に入ってもらえますか？」
一応エチケットとして、お風呂に入ってもらうのがルール。
そこでプレイするもよし、ただ一緒にお風呂に入ってイチャイチャするもよし。
ここで働くようになって一年。こんなイケメン君は初めてで、いつになく緊張してしまう。
「……お構いなく」
「は？」
え、待って。お風呂入らずに行為をしようって言うの？
流石にそれはいくら顔が良くてもやだな。
「あのルールなので」
「いやだから、お構いなく」
「は？」
腕を組んだまま掌を私へ向ける。
これ以上関わるなという感じに。
訳が分からなず困っていれば、彼ははあとため息を吐き言った。
「ヤル気はねえから、とりあえず二時間放っておいて。好きにしてくれたらいい」
「…………」
今なんて言ったこのイケメン。
二時間なにもしないの？
ここ何処だと思ってるの？
「ここ風俗だけど」
「…………」
「私、仕事しなきゃいけないんだけど」
「金は払う」
「…………」
お金は払うくせに何もしなくていいなんて、そんな客当たり前だけど初めてだった。
いつもならお風呂に入って仕事してベットで仕事して、そのうちにはい終わりーって感じなのに。
かれこれまだ十五分しか経ってない。
…………暇だ。
そりゃあさ、私が仕事するってことは、彼のナニをナニするわけで。しなくていいのは楽に越したことはないけど。
でもいいのかな、それで。
「ありがとうございました」
「………」
二時間きっちりに、彼はほんとに何もせず部屋を出て行った。
料金は前払いだからちゃんと払っていたけど、いやほんと何しに来たの？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1451人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - 雫さん» コメントありがとうございます！スッキリして頂けて良かったです！次も作品でも楽しんでもらえるように頑張ります！！ (2021年6月26日 16時) (
レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ネタバレ？ありがとうございました！そういうことなのか、、、スッキリ！話の内容もとてもおもしろかったです！次も楽しみにしてます！ (2021年6月25日 23時) (レス) id: 760b825a9a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ちゃむ丸さん» ありがとうございます(^^) (2021年6月25日 22時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ丸(プロフ) - ゆきんこさん» 楽しみにしています！ (2021年6月25日 18時) (レス) id: b0c8e366a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - mijeong0102さん» 初コメント有難うございます！なんとなく気付くことありましたか？それっぽいから確実な表現はしてないんですが、気づくとちょっと変かも？ってなればいいな程度なんです(笑)答えは後ほど後書きに＋しておきます！これからも頑張ります！ (2021年6月25日 7時) (レス) id: f67eac9242 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年6月7日 20時
