38話 ページ39
母さんがスーパーから帰ってきて、兄ちゃんも部活から帰ってきて、俺も４時間にも及ぶサイゼリヤンのバイトを終え、暫し寝ようかと自室のドアを開けたが――、硝子に部屋から追い出された。どうやら冬休みからしている秘密の作業というやつをしているらしかった。俺の部屋を使うんだったらちょっとは教えてくれてもいいのに。
リビングでごろごろするしかなく、母さんに代わって俺が今日はソファでテレビを視聴。今晩の天気と明日の天気はイマイチ良くないらしいが、気温はさほど下がらないという。べじっぷすかりかり。
「お母さーん」 ２階から硝子の声。
「はーい」
自然と俺の母さんを自分の母親のように呼ぶもんだから、ちょっと気になる。ちらちら。え、なんで俺の気に入ってるオレンジのトレーナー勝手に着てんの。なぜに、さも自分のように着こなしちゃってんのあいつ。
「さっきから包丁の音してるんですけど、私も何か手伝った方がよかとですか？」
「ううん、今日は硝子ちゃん達を歓迎するパーティだから」
「え、ありがとうございます」
「でも折角降りて来てくれたんだし、手伝ってもらおうかな」
「はぁい」
ヤな予感。母さんはソファにチラリと視線を移すと、口元に俺の大っ嫌いな笑みを浮かべた。硝子は腕まくりをして台所に向かおうとしているが。
「あると、硝子ちゃんと一緒にケーキのデコレーションしてくれる？」
「やだよ」
「あるとー」
「や・だ」
クッションで母さんの声が聞こえないように耳をふさぐ。なんで硝子とケーキのデコレーション。ぜったい、喧嘩になるに決まってる。ほんと、小さい頃もそれで顔面ケーキくらったんだから。自分の小遣いで新しいケーキ買わされる羽目になったんだから。
「こしょこしょこしょ」
「やめっ」
足の裏をくすぐられる。母さんだと思ってクッションを投げつけたが、きょとんとした顔の硝子があったもんだからヤベべべ。え、どうしよう。
いや、もう土下座しかねーだろ!!!!!
「ほんっと、すみませんでした！」
「てめー覚えとけよクソが」
硝子はトレーナーの胸元をわざとパタパタさせて、額の汗を拭う動作をして背中を見せた。なんでマンガネタ。どうして急にマンガネタ。
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PP - そうだったんですか。お話の展開や一人一人の色んな個性や想いが丁寧に描かれていて、情景が目に浮かぶようです。何故か私の一番思いだすシーンがお母さんが盛塩をフライパンで煎るシーンです（笑）また素敵な作品楽しみにしてます。 (2016年5月19日 17時) (
レス) id: e76cee042d (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - PPさん» 実はこの作品、レイチェルの家族と、片想いしてる人の家族構成をそのまま持ってきてるんですよね。内容もそれに近付けて、結構重たくしてみました。読んでくださり、ありがとうございます(*^^*) (2016年5月19日 17時) (レス) id: 3a04122313 (このIDを非表示/違反報告)
PP - 追伸☆ごめんなさい！「こんにちわ」のつもりが「こんにちわんだぞ（何の意味だよ）」と…スミマセン！ (2016年5月19日 9時) (携帯から) (レス) id: 0625209047 (このIDを非表示/違反報告)
PP - こんにちわんだぞ☆毎日読み進めてましたが続きが楽しみな作品でした。３姉妹が１０代にして重過ぎる事情を抱えてても明るく生きる姿に勇気をもらいました！ (2016年5月19日 9時) (携帯から) (レス) id: 0625209047 (このIDを非表示/違反報告)
響稀(プロフ) - リクエストの硝子ちゃん完成しました!!サイトにてお待ちしてます！ (2016年4月13日 23時) (携帯から) (レス) id: 0a116ef314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル・ハジェンズ | 作者ホームページ：https://twitter.com/seshiru777777
作成日時：2015年12月14日 20時
