らくがきーーー！！ (ページ12)

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園田くんページ12

大分翔悟は高校生。

　偏差値45の学校に通っている。

　偏差値45の学校といえば、治安は普通くらい……頭の賢い人間もいれば、とことん悪い人間もいる。

　就職、進学、人それぞれであるが、就職する人の割合が多いだろうか。

　どうして社長令嬢である撫子がそんな学校に通っているのか。

　

　格式高い女子高校という選択肢もあった。

　都会にある私立の高校を選ぶという選択肢も。

　だが、撫子は田舎でもなく都会でもない、いたって平凡な高校を選んだ。

　それはいかなる理由か。

　撫子は校長室にいき、良質なソファの上にどっしりと座った。

　良質なカーペットの上には、四つん這いになり、頭を床につけている校長の姿。

　接待もできそうないいスーツを着ているが、撫子にこのような格好になるよう命じられている今、それは校長としての意味をなしていなかった。

「はあ、この学校は馬鹿が多くていいですね。頭が良い人間は口を出してきますが。

　この学校の生徒は指摘をすればするほど絶句してしまう。

　弱い者を守る力は私には備わっていませんからね。弱い者は強くなる力を掴んでいないだけ。

　あ、そうそう。食堂のおばちゃんが白米を炊いていましたね。

　あれにお塩をふりかけると大変美味しいです。

　校長のお昼ご飯はそれですよ」

「ありがたきしあわせです」

　撫子は机の上に肘をつき、床についていない脚をぷらんぷらんとさせた。

　校長はペットだ。

　撫子にとってペットにすぎない。

「頭の賢い人間を屈服させることも私には容易かったでしょう。

　でも、これ以上頭角は現せませんからね。

　それに、勉強もする気はおこりませんし」

　ロリポップ。

　撫子はひれふした校長をじっと見て、脚を何度もぷらぷらさせていた。