YOU ページ23
「A!」
その声と共に玄関の扉が開く音。
あたしが発するより先に、あたしのマネをしたスンちゃんはニヤニヤ笑ってる。
ジヨンくんなんて崩れ落ちるように爆笑してるし。
改めて玄関に出迎えに行くと明らかに拗ねてる意地悪顔の彼。
タプ「俺がいない間に男を連れ込むのが趣味か?」
そう言って抱きしめる腕は優しい。
多分靴を見て、誰が来てるのかわかってるんだと思う。
あたしを抱きしめた彼が思いっきり息を吸い込んですり寄ってくるのは甘えてる証拠。
だけど彼の、こーゆー少し子供っぽいヤキモチが嬉しかったりして。
楽しい輪の中に自分がいないのを寂しがる人だから。
彼に着替えてくるよう促して、煮え立ちそうなお鍋の元に走った。
相変わらず長い廊下。
A「はーい携帯どけてー。おでん出来たよー。」
スーツからラフな格好に着替えたすんひょんが、あたしがいつも座る椅子の隣に腰かけた。
タプ「お祝いならまたワイン開けるのか?」
A「じゃじゃーん。今日はね、仕事もらえたって日本の母に連絡したら、お祝いの日本酒を送ってくれたの!叔父の家が酒造なの。」
日本酒とおでんの相性って最高だもんね。
ってわざわざ買って来た徳利とお猪口に注いだぬる燗を出した。
スンリ『いいですね!日本酒っとおでんっ!』
ジヨン「じゃあAYG採用おめでとー!」
ヨンベ「ヒョンも。」
タプ「俺?」
ちゃんと乾杯したはずのすんひょんに話を振るヨンベくん。
A「オークションの成功。おめでとう。」
タプ「…ありがとう。」
テソン「どうしました?」
タプ「いや、あれは俺がどうこうした訳じゃないから複雑なんだけどなって思って。」
テソン「そんなのヒョンのおかげに決まってますよ!出品もしたんだし!」
A「そうだよ。ずーっと準備してたんでしょ?お疲れ様。」
乾杯して飲み干した彼のお猪口にお酒を注ぐと、照れ臭そうにニコニコと笑ってる。
それを優しい目で見てるみんなを見て、あたしまで幸せになる。
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作者名:めい | 作成日時:2016年9月25日 0時