Yours ページ41
扉が開く瞬間の緊張で、大きく深呼吸をした。
道の先にいる彼は、まるで王子様。
見つめるだけで涙が出そうになるくらい美しい。
あたしの歩む道を挟むように並んだのはあたしの親族と彼の仲間だけ。
平気な顔してイタリアまで来られる友達は、あたしには2人ほどしかいない。
だから参列者の割合は8:2くらい。笑
何で何も教えてくれなかったのって、あんたの幸せをずっと願ってたんだからって泣きながら怒る菜月と真美。
あたしの為に泣いてくれる友達も、温かい雰囲気で迎えてくれる彼の仲間にも、これ以上ないくらい感謝してる。
いろんな人に心配をかけて、想像を遥かに超えた幸せを目の前に、少し怖くもなる。
だけど真紅の絨毯をゆっくりと歩きながら、これまでのことを思い出す。
短い付き合いだけど、それなりに濃い時間を過ごせて。
少なからず喧嘩もした。
いつもたぷは拗ねちゃうだけだけど。
そんなカッコよくて、可愛くて、あたしを夢中にさせて離さない彼を。
病める時も。
健やかな時も。
あたしの全人生をかけて。
愛し抜くと誓う。
「待った？笑」
たぷ「待ったけど。今日は花嫁が主役だからな。笑」
彼が大切にする人と、あたしの大切な人たちに見守られて、永遠の愛を約束したたぷは、ゆっくりとあたしのベールに手をかけて、口付ける瞬間こう呟いた。
“待たせてごめんな。”
退場するときにはあたしの顔は涙に濡れてしまって。
出来上がった写真はひどいもんだろうと今からげんなりする。笑
「たぷー！」
声をかけた先のルーフバルコニーにいるたぷは、あたしに聞こえさせようとしてるとは思えないほど通常通りの音量で「んー？」と返事をした。
「みんな待ってるからー！早くー！」
部屋からバルコニーを除くと、地中海の写真をパシャパシャと撮ってるたぷ。
「それインスタにはあげられないからね？」
たぷ「何で」
「バレちゃうからに決まってるでしょ！」
あたしたちがここで愛を誓ったことを話せるのは、おそらくもう少し先になる。
だけどその時もまた、そうやって優しく微笑んで。
あたしの手を握って。
ちゃんと守ってね。
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めい(プロフ) - mipichan11さん» mipichan11さん、こんばんは。共感して頂きありがとうございます。あたし自身も、この主人公ちゃんはあたしにないものを持ってる素直な女性で、書いていて楽しかったです。その反面難しくもありましたが…笑 また次作でお会いできるのを楽しみにしています。 (2017年5月17日 1時) (
レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 莉緒さん» 莉緒さん、コメントありがとうございます。そう言って頂けるとあたしも嬉しいです。全ての皆様に共感して頂ける作品にするのは難しいですが、あたしの拙い作品を楽しんでいただける方が少しでもいたら幸いです。また自作でお会いできるのを楽しみにしています。 (2017年5月17日 1時) (レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
mipichan11(プロフ) - お疲れ様でした！とっても素直な主人公に共感し楽しめました。また新作楽しみにしていますね。 (2017年5月17日 0時) (レス) id: 8ad7cc6137 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - めっちゃよかったです！ (2017年5月16日 20時) (レス) id: 25146adc40 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 莉緒さん» 莉緒さん、こんばんは。とっても嬉しいコメントありがとうございます。そう言っていただけると作者冥利につきます。よかったらもう少しだけお付き合いください。 (2017年5月16日 20時) (レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2017年3月4日 20時
