My heaven :muse ページ42
彼の代わりはいない。
あんなにも愛情深くて、優しくて、無邪気で可愛くてかっこいい人。
例えばあたしが誰かに傷つけられても。
彼の職業を思えば、ファンを思えば仕方がない事だと思うし。
彼のファンがあたしを傷つけることで彼が傷つくのは許せないけど。
だからこそそうならないように。
あたしは身を隠す。
例えばどこにもデートに行けなくても。
世界から注がれる彼への視線を考えたら当然考慮すべきだし。
私生活に介入してきて彼が精神的ダメージを受けるのは違うと思うけど。
でも。
ファンの皆さんには謝っておきたいの。
みなさんが愛する彼を、あたしも愛してしまってること。
それも皆さんより近い距離で。
そしてそれだけは、何を捨てても譲れないこと。
「なあAー。」
「んー？なあにー？」
「さっきの話なんだけどさー…」
「さっきの？」
「うん、、実は…」
ピンポーン…
「あ、なんか来た。出てくる。」
「あ！A！」
……。
「たぷ。」
「A…」
「これ何？」
「いや、、これは…」
「どこに置くの？」
「えっと…それは…あ、寝し…「は？」
「こんなものがあって落ち着いて寝られると思う？ただでさえカーブミラーみたいなオブジェに邪魔されてる部屋なのに！あげくこんな大きなものがあったらベッド捨てるようだよ！」
「いやでも…」
「あーなるほど。あたしの部屋？これを機に出て行けってこと？なるほどね。りょーーかい！」
バンっと大きな音を立ててドアを閉め、自室にこもる。
別にあそこまで怒るつもりはなかった。
ただ、どんどん増えていく美術品に、この人はあたしとの将来を考えたりしてないのかとか、お金は十分すぎるほどあると言っても、まさか今後もこうやって湯水の様に使うつもりなのかとか、そんな不安がよぎってしまった。
もちろんBIGBANGの人気がこれから落ちるとも思ってないし、あたしだって働いてるんだから普通には生活できる。
でもさ、相手とは関係なく、そういう不安てこの歳になるとでてくる。
だから変なところで爆発しちゃったんだけど。
部屋のドアに耳を当てると、廊下でガサガサと包装紙を剥がす音が聞こえる。
さすが。
もうここまでくるとさすがだわ。
この状況で美術品に構うなんて。
これは最悪の事態も考えなきゃいけないかもしれないな。
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めい(プロフ) - 莉緒さん» 莉緒さん、初めまして。コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです。こちらの短編集はお陰様で完結しましたが、これからも作品を作れたらと考えておりますので、よかったらそちらにも遊びにいらしてくださいね。 (2017年4月28日 1時) (
レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - いつも胸がキュンキュンするお話で、とても楽しいです。 (2017年4月28日 0時) (レス) id: 25146adc40 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - まいこさん» まいこさん、こんにちは。ありがとうございます。あたし自身も、My heavenは特にお気に入りのお話なので、まいこさんにも気に入っていただけて嬉しいです。よかったらもう少しだけお付き合いください。 (2017年4月21日 17時) (レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
まいこ(プロフ) - My heaven最高です！どれも素敵な話ばかりで毎回楽しみです！！ (2017年4月21日 17時) (レス) id: baec6281f0 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - fdr63dgaさん» fde63dgaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。こちらこそいつも読んで頂きありがとうございます。今後も頑張ります！ (2017年4月12日 22時) (レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2017年3月22日 1時
