Last farewell :I am ページ36
コンコン。
「失礼します。おはようございます。今日もよろしくお願います。」
「おはようございます。こちらこそ。」
挨拶を済ませ、今日の流れを簡単に説明する。
「…と言う流れでいきますので、まずはテヤンさんから撮影します。TOPさんは先にヘアメイクとあちらの衣装を着てお待ちください。その間に我々はカメラテストと照明の調節をしておきますね。」
「はい。お願いします。」
「失礼します。」と一礼して控え室を出ようとしたら、「あ。」って声が頭上から聞こえて顔を上げた。
「何でしょう？」
「コーヒー。もらえますか？」
え？
それってマネージャーの仕事じゃない？
何であたしが…。
なんて言えるはずもなく、元気に二つ返事で自販機まで走った。
何年もかかって助監督まで上り詰めたのに。
今更こんな雑用を頼まれるなんて。
TOPさんって俳優もやってるよね？
この業界だって10年くらいいるよね？
何であたしなの？
お高くとまってる様にも見えなかったし。
「お待たせしました。」
「ありがとうございます。あれ？ひとつだけですか？」
「へ？」
「Aさんの分がありませんね？」
何言ってんだこの人。
ありませんよ。
あるわけないでしょう。
あたしはこれから撮影場所になる倉庫に戻ってSOLさんのシーンを撮るっつってんだから。
照明の調整してきますって言ったよね？
お茶してる程暇じゃないのよ！
なんてやっぱり言えるはずもなくて。
「あは。あはは。今日はスケジュールが詰まってるので、またの機会に頂きます。」
思いっきり苦笑いした。
「TOPさん入りまーす！」
あたしが大きな声を出すと、全員が口々に挨拶をして場の空気がぐっと締まる。
「カット！」
監督の声で全体が一瞬だけふっと力を抜く。
「チェック入りまーす。」
あたしも監督の横について記録さんと答え合わせをする。
モニターを食い入る様に見つめて、そこには今まさに出演していたTOPさんも…あれ？
どこ行った？
何あの自由人。
付き合いきれない。
「はい。」
「あーありがとう。」
差し出されたコーヒーを口元まで持って行って我に返った。
この匂い、、さっき…
「え！とっ！TOPさん！すいません！スタッフかと思っても思わず…」
「いいんですよ。さっきのお礼です。笑」
匂いの記憶を頼りに驚いて顔を上げると、クスクスと笑いながら自分もコーヒーのおかわりを飲んでるTOPさん。
わざわざ買ってきてくれたのかな…。
Last farewell :He is→←Stay :my side
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めい(プロフ) - 莉緒さん» 莉緒さん、初めまして。コメントありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです。こちらの短編集はお陰様で完結しましたが、これからも作品を作れたらと考えておりますので、よかったらそちらにも遊びにいらしてくださいね。 (2017年4月28日 1時) (
レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - いつも胸がキュンキュンするお話で、とても楽しいです。 (2017年4月28日 0時) (レス) id: 25146adc40 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - まいこさん» まいこさん、こんにちは。ありがとうございます。あたし自身も、My heavenは特にお気に入りのお話なので、まいこさんにも気に入っていただけて嬉しいです。よかったらもう少しだけお付き合いください。 (2017年4月21日 17時) (レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
まいこ(プロフ) - My heaven最高です！どれも素敵な話ばかりで毎回楽しみです！！ (2017年4月21日 17時) (レス) id: baec6281f0 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - fdr63dgaさん» fde63dgaさん、こんばんは。コメントありがとうございます。こちらこそいつも読んで頂きありがとうございます。今後も頑張ります！ (2017年4月12日 22時) (レス) id: 362d41b39c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2017年3月22日 1時
