MASTERPIECE. (ページ13)

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｢母さんの声は？｣

｢俺？俺の声はね聞こえてたみたいだよ俺男だし｣

｢そこからどのくらいだった？｣

｢半年ぐらいかな...すごい耳鳴りするって言ってきて病院いったらもうダメだって｣

｢それが結婚記念日の前の日だったのねで、宏太にプレゼント何がいい？って言われて｣

｢歌ってほしいっていったんだ｣

｢もう聞けないかもしれないって思ったのかな｣

きっとその質問をした父ちゃんも歌ってほしいっていった母ちゃんもなにかを感じていたんだろう。

｢宏太すごい優しい声で歌ってくれた｣

｢で歌ったあとにおやすみ光愛してるよってっ｣

母ちゃんの目からポロっと涙が零れた。

｢俺もっ愛してるって言ったのが宏太との最後の会話だった｣

｢でもいいんだその歌で俺は助けられて生きてるわけだし｣

｢ありがと母ちゃん、すごいいい話聞いたよ｣

プレゼントは決まった。