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◇ ページ12
そんな俺に王子様が現れた。
｢大丈夫ですか？なにか探してます？｣
まだ耳が聞こえていた頃の宏太。
｢すいません....どっかに白い棒落ちてませんか？｣
｢白い棒......？あ！あったこれだ！これであってますか？｣
白状を俺の手に握らせてくれた手はとっても暖かかった。
｢ありがとうございます....｣
｢いえいえ！大丈夫ですか？怪我とかしてません？｣
顔は見えないけどこの人は優しい人なんだなって、声でそう感じた。
俺は宏太の声が大好きだった。
涼介side
｢そこから4年付き合って、結婚して涼介が生まれてきて....涼介が幼稚園の時かな宏太の病気が分かったのは｣
｢えっそんなに前なの？｣
正直、父ちゃんの病気について詳しく聞いたことはないしビックリした。
｢その日帰ってきた宏太の肩触ったらびしょびしょで雨降ってたのに貸ささないで帰ってきたらしくて｣
｢で....？｣
｢どうしたの？って聞いたら聞いたことないくらい弱い声で耳病気だってって｣
｢そこからだったかなどんどん耳が遠くなってって高い音が聞こえなくなっちゃった｣
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作者名：ハル | 作成日時：2023年10月28日 19時
