人見知りの神覚者様。 (ページ49)

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番外編　神覚者様の体力テスト　① ページ49

「今日だったか？」
「今日だ。早く行くぞ、一応まだ学生なんだから」

制服ではなく珍しくジャージのA。
レインが着替え終わるのを待ち、イーストン校の体育館へ向かった。

全校生徒がジャージで集まっている。
もちろんフィンやマッシュもだ。

「今日やるものは、握力測定・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・50m走・立ち幅とび・ハンドボール投げ・20mシャトルランです。まずは同じ性別で2人組を作って下さい。学年は問いません」

2人組を作れ。
生徒たちは近くの友人と二人組を組んだ。
しかし誰もAには近寄らない。いや、近寄れないのだ。

「…」

Aは1人どうしようかと頭を抱えていた。

するとそこに1人の後輩が来た。

「A先輩」
「レモンちゃん」
「ペアいますか？いないなら組みましょう！」
「…はい」

2人はまず『握力測定』から始めることにした。
握力測定・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・50m走・立ち幅とび・ハンドボール投げ・20mシャトルランという順番だ。

【握力測定】
「右37…左35…？？」
「…レモンちゃんですよ、次」
「あ、はい」

しょっぱなから異常な数値にレモンは驚いた。
華奢な体からなぜこんなにもエグイ数値がでるのか。

「ﾌﾝｯ」
「マッシュくん…」

マッシュは握力計を破壊したのだが。

【上体起こし】
「35…？」
「そんな驚きますか？」
「え、や、まぁ…」
「でも君の想い人はもっとヤバいですよ」

ちら、と隣のマットを見るA。

「ひ、105…？」
「ほら」

【長座体前屈】
「70です」
「結構いかなかった…」

結果確認をする2人の横を測定器が凄い速度で吹っ飛んでいった。
測定器は壁に衝突。

「ん？」
「マッシュくん…飛ばしちゃダメだよ…！！」
「…ごめん」

【反復横跳び】
「どれくらいでしたか？」
「65です」
「もう少しいけたな…」
「え？」

レモンの測定時。

「すごく揺れますね。地震ですか？」
「マッシュくんですね」
「単独で測らせるか否かで迷っている」

転倒者も出、さすがに記録がマトモに測れないと判断したのか、先生が言った。

「マッシュ・バーンデッドは単独で測れ」
「うす」
「めちゃくちゃ揺れる…」

【50ｍ走】
レインとAは同じレーンだった。
神覚者2人が一度に走るとなると、全員が集まってくる。

「よーい、ドン！」

結果的にAのほうが早かった。
6.2。バケモノの類だ。

「マッシュくんは一瞬ですけどね」
「さすが私の旦那様♡」